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ストーカー・ラブ  作者: sitis
テストの幕開け
53/68

結果

家の事情でしばらく更新できないかもしれませんので、あしからず。

「さ、やるか。真子。コーヒーいるか?」

「あ、すみません、お願いします」

「いいさ。どうせ一人分も二人分も一緒だからな」

 最近、勉強の前にはコーヒーを飲むようにしている。なにやら、カフェインには意識覚醒の効果があるらしいのだ。

「よし、できた…」

 できたと言ってもインスタントなのだが。真子にコーヒーを手渡した。

「あれ、真子。顔色悪くないか?」

「そうですか?…まあ、大丈夫ですよ。大したことないです」

 大したことない。

 それは、自覚症状がある者しか使わない言葉だ。

 しかし、真子は知られたくないようなので何も言わずに流しておく。それが真子の望んでいることなのだ。

「じゃ、ここはどうすればいいんだ?」

「ここはですね…」

 今日一日は、勉強に費やす気でいた。真子の心配はきちんとしているつもりだ。その上で真子がそれを望むのだから、俺は真子のしたいようにするだけだ。

 そう思っていた。


 ーーー朝。

 今日はいつもより早起きをした。きっと、昨晩は激しい運動(意味深)をしなかったからだろう。しかし、今日の俺にはそれは虫の知らせに思えた。

 横に居る真子を抱き締める。今日は良い朝だと思い込むことにしようとした。

 しかし、その期待は無惨にも崩れた。

「はあ…は、ぜえ…けほ、けほ…」

 真子が、熱に浮かされていた。

「ま、真子!?大丈夫か!?」

 すごい汗だ。まず今日は休ませるべきだろう。

 俺はどうする?

 明日はテストだ。俺は学校を休むべきではないだろう。

 しかし、真子がこんな状態なのに休むのか?

 そう、迷ってる時に、真子が言った。

「あ…。亮太くん…。いけませんよ、学校、行かなきゃ…」

 その時、俺の中で答えが決まった。

 立ち上がり、携帯を手にとる。覚えさせられた学校の電話番号を押して、携帯を耳に添える。

「もしもし、篠原亮太です。実は真子がインフルエンザにかかりまして…。はい、はい…いえ、俺も免疫が弱ってたのか…はい、すいません、よろしくお願いします…」

 ブツッ、ツー、ツー、ツー。

 携帯を置き、真子の方を向いた。

「お前ならこうしただろう?真子」

 その言葉を聞いた真子は、嬉しそうに笑ってくれた。

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