結果
家の事情でしばらく更新できないかもしれませんので、あしからず。
「さ、やるか。真子。コーヒーいるか?」
「あ、すみません、お願いします」
「いいさ。どうせ一人分も二人分も一緒だからな」
最近、勉強の前にはコーヒーを飲むようにしている。なにやら、カフェインには意識覚醒の効果があるらしいのだ。
「よし、できた…」
できたと言ってもインスタントなのだが。真子にコーヒーを手渡した。
「あれ、真子。顔色悪くないか?」
「そうですか?…まあ、大丈夫ですよ。大したことないです」
大したことない。
それは、自覚症状がある者しか使わない言葉だ。
しかし、真子は知られたくないようなので何も言わずに流しておく。それが真子の望んでいることなのだ。
「じゃ、ここはどうすればいいんだ?」
「ここはですね…」
今日一日は、勉強に費やす気でいた。真子の心配はきちんとしているつもりだ。その上で真子がそれを望むのだから、俺は真子のしたいようにするだけだ。
そう思っていた。
ーーー朝。
今日はいつもより早起きをした。きっと、昨晩は激しい運動(意味深)をしなかったからだろう。しかし、今日の俺にはそれは虫の知らせに思えた。
横に居る真子を抱き締める。今日は良い朝だと思い込むことにしようとした。
しかし、その期待は無惨にも崩れた。
「はあ…は、ぜえ…けほ、けほ…」
真子が、熱に浮かされていた。
「ま、真子!?大丈夫か!?」
すごい汗だ。まず今日は休ませるべきだろう。
俺はどうする?
明日はテストだ。俺は学校を休むべきではないだろう。
しかし、真子がこんな状態なのに休むのか?
そう、迷ってる時に、真子が言った。
「あ…。亮太くん…。いけませんよ、学校、行かなきゃ…」
その時、俺の中で答えが決まった。
立ち上がり、携帯を手にとる。覚えさせられた学校の電話番号を押して、携帯を耳に添える。
「もしもし、篠原亮太です。実は真子がインフルエンザにかかりまして…。はい、はい…いえ、俺も免疫が弱ってたのか…はい、すいません、よろしくお願いします…」
ブツッ、ツー、ツー、ツー。
携帯を置き、真子の方を向いた。
「お前ならこうしただろう?真子」
その言葉を聞いた真子は、嬉しそうに笑ってくれた。




