表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ストーカー・ラブ  作者: sitis
昇軍の闘い
39/68

圧倒

眠いよう…

「喋るな」

 真子と慎に先に指示しておく。冷静に見えるかもしれないが、内心焦っていた。

 ーーーまずい。

 アネゴがやられた事もそうだが、ここはまだ敵陣に入っていなかったはずだ。なのに攻撃が飛んでくるとは…。

 アネゴが右手を挙げてフィールドから出ていく。その隙に腕時計を確認。敵は近くには居なかった。

「狙撃兵か…!」

 そうと分かれば話は早い。新たな指示を出すとしよう。

「真子。木から降りて、ここへ来い。ついでに、ギミックを展開しておけ」

「分かりました」

 かなり後ろで、真子が接近してくるのが見えた。

 アネゴが居たところなら、射線は通っているはずだ。幸いナメているのか、相手は誰も動いていない。

 一応、『盾』を展開して射撃に備えておく。真子はあまり待たずとも到着した。

「方向はあっちだ」

 ここまで分かれば、真子の五感ならば捉えられるだろう。実際いけたようで、照準を定めていた。

 真子のスナイパーライフルのギミックは、盾の展開だ。真後ろ以外の全方位から守れる。それは、この戦闘ルールならば素晴らしく強いものだった。

 だが。

 ゴシャア!

「きゃあ!」

 どこから出たのか、男がライフルごとシールドを吹っ飛ばして真子の頭にチョップを入れた。

 瞬間、真子の反応が消え、真子は手を挙げて帰っていった。

「ふっ!」

 更なる攻撃を俺に加えようとする男。しかしそれは俺の『盾』に阻まれた。

 無言で『盾』から『剣』にチェンジして斬りかかる。あとは、この間に…

「流石に甘いよ」

 パン!

 男のハイキックが慎の頭に軽く当たり、慎も失格。

 これは、無理だ。

 そんな状態で、俺は、『剣』から『拳』に戻した。

「おっと?やる気なくなっちゃったかな?」

 男の軽口にも取り合わず、深呼吸する。一度する度に落ち着く。

 スーーー。

 ハーーー。

 瞬間。

 男の鳩尾に俺の拳がめりこんだ。

「ゴハッ!?」

 仲間たちに軽い攻撃をしてくれたことは感謝しているが、こればかりはしょうがない。倒れこんだ男の頭を軽く蹴って、次なる目標へと走り出す。

 俺の頭を占めている感情は何なんだろう。

 怒りか?違う。それなら脳はこんなにクリアじゃない。

 悲しみか?違う。彼は優しく倒してくれた。

 悔しさか?ーーーそうかもしれない。

 最初からずっと、相手は俺たちをナメている。それが気に入らない。しかし、怒りとは少し違う感情。

 次の敵は木の上に居たので、枝の下から『銃』で撃ち抜いた。たまたま股間に当たったようで、悶絶しながら帰っていく。

 ーーーあと一人。

 その一人は、当たり前のようにボスで。

 当たり前のように、一番強かった。

 どれくらいかというと。

 気配に気づけなかったくらい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ