表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ストーカー・ラブ  作者: sitis
昇軍の闘い
36/68

開会

昨日はどうもすみません。最近忙しいので、投稿できない日が続くかもしれません。

「それでは、一軍昇軍戦、開会式を行います!」

どこからか機械を通したノイズ混じりの声が聞こえる。それは開会式の始まりを告げていた。

新兵器を貰ってから一週間。できる限りの対策を練って、とうとう戦いが始まった。

「き、緊張します…」

真子はぶるぶる震えている。その肩を持って少しだけ抱きよせる。真子曰く、緊張が多少治まるんだそうだ。俺に対する憎悪の視線は忘れられなさそうだが、それはそれ。真子の心の平穏には換えられない。

「ではまず、一軍の出場グループ『十字砲(クロスファイア)』のリーダーからの儀式をおねがいします!」

「「「…」」」

俺たちは黙っていることしかできなかった。

十字砲(クロスファイア)』て!

何と言うか、他に何か無かったものか。特に、何故グループ名なのに十字軍じゃなく、十字砲なんだ!

しかし、俺たちの葛藤は露知らず、飄々と向こうのリーダーは話を始めた。

「こんにちは。リーダーの村田健です。本日はお日柄も良く、とかで始めてもアレなので、こちらから言わせてもらうことはただ一つです」

おお。

その中二ネームからは程遠い、素晴らしい挨拶だ。きちんと笑顔もくずれていないがしかし、一つが気になるな。何を言うつもりだ?

「篠原亮太さん」

俺?

「その格好全然似合ってねえんだよバァァァカ!!!」

解説しておこう。

この間も彼の笑顔は一点も曇っていない。

「うっわー…。ナチュラル中二病な亮太にとっては今のキツいんじゃない?」

「ま、まあ、なんだ、元気出しなよ」

「私はその格好、似合ってると思いますよ!」

仲間たちからのフォローもかなり痛い。

「以上です。失礼しました」

「ちなみに、儀式は、笑顔で相手を罵倒することです」

儀式って…

「では、次!えー…すみません。二軍側、グループ名がありません。今即興で決めて下さい」

司会が少々困った風に言ってくる。名前か…

「アネゴ、何かいいの「あんたに任せたよ、リーダーだろ」無いんだな分かったよ」

ありえないほど使えない。

グループ名か…まあ、適当でいいか。

「『ベアリング』です」

「べ、ベアリング?それはあまりにも…」

「『べアリング』です」

「ですので…」

「『ベアリング』です」

「…はい、では『ベアリング』のリーダーからの儀式をおねがいします!」

ちょろいな。

「…悪魔みたいだね」

慎のツッコミなんて気にしない。

「…えー、『ベアリング』のリーダー、篠原亮太です。『十字砲(クロスファイア)』という中二な名前の皆さんには負けたくないとは思うものの、別にこんな名前の奴等だし、負けても恥じゃない、というか、真面目に戦うことが恥だとも思うので、まあ、ぼちぼち頑張ります」

一つ罵倒するたびに向こうの人が倒れていく。司会の人も若干引いてる。こっちの人は慣れてる。三者三様とはよく言ったものだ。

「こ、こほん。では、ルールを説明します!皆さんには、このセンサーを付けてもらいます。これにより、自分に何発被弾したかが分かるようになります。五発攻撃が当たったら退場ですが、頭、股間に当たった場合は一撃で退場となります。それから、この五発というのは通算ですが、フィールド中に回復アイテムがあり、それを使った場合は二発分回復します。ただし、五発以上には回復しないので、ご注意を」

わー。長ーい。読みにくーい。

皆さん、読み飛ばしていいですよ。そして後でルール確認に読み返してくれれば分かりやすいですよ。

「…ハッ!」

「…亮太、今誰か乗り移ってなかった?」

「いや、なにやら意識が無くて…」

「それでは、『十字砲(クロスファイア)』の四人vs『ベアリング』の四人、勝負の前の握手をどうぞ!」

俺はリーダーの手を握った。

それにより、確信した。

ーーー勝った。

だ、誰が乗り移っていたんだ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ