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ストーカー・ラブ  作者: sitis
昇軍の闘い
35/68

射撃

短いですので、「長い」と脳内補正してお楽しみください。

「狙った所に当てられる…?」

それが本当なら、もちろん夢のような武器なのだが、本当にそうなのだろうか?

「そうだよ。まず、いつもみたいに『拳』で手を入れてみて」

「はい。…メール届きました」

いつも通り携帯にメールが届いた。確認すると、いつものメニューに『銃』が追加されている。

「『銃』を押してみて」

言われるままに『銃』を押してSNSGを変形させてみる。今回はやはり手の中で銃の形になった。

「その状態でスマホを見てみなさい」

先生がドヤ顔でアピールしてくる。手の中のスマホにはカメラのような画面が展開されていた。中心には×印があり、視点はよく見るとSNSG目線のようだ。

「なんですか?これ」

「それで、的をタッチしてみて」

中心の×からは多少離れている的をタッチ。すると…

「おわっ!」

「ふふふ」

銃口が的に向かって変形した。さすがにどういうことか分かったので、そのまま撃ってみる。

パァン!

的の中心にジャストミート。これは…使える!

「どう?敵の目の前でスマホ弄る訳にはいかないけど、一応普通の銃としても使えるし。いいでしょ?」

「最高ですとも!」

俺の弾が百発百中で当たるなんて!これは新兵器として使える!

「先生。新入りに武器与えるのはいいんだけどさ。あたしには何も無いのかい?」

なぜか未だにアネゴは俺のことを新入りと呼ぶ。いや、いいんだけどさ。俺も未だにアネゴって呼んでるし。

「分かってたよその反応!ただのブーメランじゃ使いにくいよね!というわけでこれ!」

パパパパッパパーン!

どこからか某猫型ロボットがマル秘道具を出すような音が聞こえた。

「ク~ロ~ス~ボ~ウ~!」

「…何故?」

銃があるのにクロスボウを渡すセンスには脱帽だ。

「はいこれ、矢ね」

「…いや、おかしいと思わないかい?先生。銃があるのになんでクロスボウ?」

「カッコいいから!」

先生がそう言った瞬間、アネゴは鬼のような装填速度で先生を撃った。おかしいな。クロスボウとか普通触らないよね?ちなみにちゃんと矢の先は丸いよ。

「…ごめんなさい。でも理由はあるんだよ?銃に比べて音しないし。ブーメランのコンセプトはそこだったんだけど、どうしても変則的な軌道になるから当てづらいし」

「こんな照準もなにも無いもので当てれるわけないじゃないか!」

「そこは経験で。あと、アネゴさんにはこれをあげよう」

言って先生はポケットから薄いビニールに包まれた弾を取り出した。なんだこりゃ?

「これは普通の銃じゃなくてこれを使ってね。外側が剥けて出るようになってるから」

「なんだい?これ」

「それはね…ごにょごにょ」

先生が急に耳打ちに切り替えた。次第にアネゴの顔が凶悪に歪んでいく。これ、確実に悪い人じゃん。

「じゃ、ちゃんと今度の闘いに役立ててね。じゃ、ばはは~い」

変な挨拶をして、先生は出ていった。

「…アネゴ、それ、なんだ?」

「ご想像にお任せするよ」

まあ、何はともあれ。

来週に迫った闘いは、俺たちにも勝機はありそうだ。

昨日は更新できず、すいませんでした。少々忙しかったのです…

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