問題
更新が遅れてしまいました!読む本が多すぎて…!アニメが面白すぎて…!
「はあ?転校?何言ってんだ?」
先生が馬鹿を見る目で見てくる。この人失礼だな。
本日、つまり前話から言うと(メタ発言は許してくれ)次の日、俺は転校の話を担任にした。
「先生…思いませんか?愛は何にも勝るものだと。」
「ああ、すまん。先生数学の教師だから、そういうの分からないんだ。」
人でなし。
「そんなだから彼女できないんですよ…ああ、怖いです先生。そんな目で見ないで。」
「彼女」というワードを出した瞬間、先生の目が飢えた獣のようになった。そんなに気にしてたのか。
「まあ、別に、お前が愛欲に溺れようとどうでもいいんだ。問題はお前がいつ転校するのか、そして親からのサインはあるのかということだけだ。」
「愛欲に溺れるのはどうでもよくないでしょう…いや、そんなことしてませんけど。サインはこれです。」
持ってきていた親父のサインを渡す。先生は「これ本物か?」などとこぼしていたが、受理してくれた。
「で?いつ転校するんだ?」
「今日転校して、明日から向こうに通います。」
「馬鹿か死ね」
「教師が死ねってセーフなんですか?」
相変わらずそういうの気にしない先生だ。
「お前そんなやつだったか…?そんなにハチャメチャなこと前は言わなかったと思うが…」
「駄目ですか…?」
駄目だと言われると困る。断られたら俺は退学するしかない。
「駄目じゃないさ。自分の成長に必要なことはなんでもすればいい」
爽やかな笑顔で俺に名言を残してくれる。先生…
「ありがとうございま「ただし!」交換条件あるんですね!」
そんなことだろうと思った。
「最近テストやったろ?その答え合わせが終わってないんだ。やれ」
「ひどっ!それ生徒にさせちゃ駄目なやつ!」
「何言ってんだ、適材適所だろ。お前数学得意じゃないか。お前の分採点したら98点だったぞ」
「あれ、本当ですか」
自信なかったんだが。選択問題で取れたのか?
「選択問題以外は満点だったな。すごいじゃないか。」
なにその奇跡。つーか一問しか無かったのか、選択問題。
「じゃ、ありがとうございました。帰りますね。」
「いや逃がさんからな。まあ楽しい採点頑張ろうじゃないか」
はっはっはっ、と高笑いしながら先生が職員室に俺を引っ張ってゆく。俺のスイートタイムはまだまだのようだ。
「…それで、こんな時間までかかったと。」
真子は俺の目の前に座っている。待っててくれたみたいだ。
時刻は午前2時。こんな時間まで働かせるとかありえない。オーバーワークだろう。
「…面目ない」
「ああいえ、怒ってはないんですよ?私のためにこんな時間まで頑張って下さるなんて素敵じゃないですか」
真子の表情は煌めく笑顔。どうやら本当に怒ってはいないみたいだ。でも悪いことしたな…
「でも眠いんじゃないのか?寝ようぜ。明日の新幹線早いんだしさ」
「大丈夫れす…」
真子ちゃんが急に眠そうな顔になった。どうやら俺が帰ってきたことで分泌されていたアドレナリンが眠気を指摘されたことで活動を急速に中止したようだ。人間の体とはかくも難しい。
しかし眠そうに目を擦っている真子は本当にかわいい。抱き締めたい。キスがしたい。押し倒したい。
「…亮太くん?」
「はっ!」
危ない。ヤバいところに飛ぶところだった。
「と、ともかく。俺のせいでこんな時間まで起きとくことになったんだが、ともかく寝よう!」
言い訳のために使っているが、実際明日は早い。新幹線は朝8時のやつを取ったらしい。親父めマジふざけんな。(急に決まったからだろうが)
「…寝るんですか?」
「へ?」
真子が不思議そうな顔でこっちを見ている。
「このまま、寝ちゃうんですか?」
なにやら残念そうな顔だ。頬にはほんのりと紅がさしている。それは眠いからか、それとも…
「お泊まりなんですから、トランプしましょう!」
テンションが上がっているからのようだった。
「くそ…なんだかな…」
なんだかペースを握られっぱなしだ。これが惚れた弱味かと思いつつも俺はトランプを切った。
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