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ストーカー・ラブ  作者: sitis
プロローグ
25/68

装備2

中二病な亮太くんはこの後どんな活躍をするのでしょうか。

結局、黒いマントの着用を許してもらい、風紀専用(というか俺専用)の赤い制服を譲ってくれた。なにやら昔の制服らしく、リニューアルされた今使い道が無いからむしろ着てくれると助かるそうだ。

あと、前貰った三段ロッドはサブウエポンということになった。メインウエポンがアレなので、どうしても両手が塞がってしまうのだ。

俺はイヤホンを買うことに決めた。某赤ジャージのニートみたいにイヤホンが風にたなびいてる構図好きなのだ。

そしてマントと制服には色んな仕掛けが…ふふふ。

「…先生。あいつ一人で笑ってるよ」

「マントと制服には…ふふふ」

「うわ、こっちもだ…助けに来て常識人…」

アネゴが困った顔をしているが、気にしないスタイルで行こう。

「そーいや、アネゴあ、の固有武器って何なんだ?」

「あたしの固有武器はこれだよ」

言って、懐から何かを取り出す。木をくの字型削られたもの。所轄ブーメランだった。

「最近漫画でも見ないぞその武器…」

「そうかい?前読んだのには出てきたけど」

「つーかなんでそれなんだ?他にあるだろう」

そもそも、遠距離武器ならエアガンで足りている。なぜそれなのか。

「先生が言うには遠近どちらにも対応しているかららしいけど…今のを見たら先生の趣味なんじゃないかと思ってきたよ」

「…あ、あははは…」

先生が目を逸らしつつ笑う。こりゃ趣味だな。俺もこういうの好きだから何も言えないけど。

「ま、そういう訳だから、あたしは自分の固有武器は弾が無くなったときの予備くらいに思ってるよ」

「へえ…まあ、そうだよな。そんな使いにくい武器」

「いや、あんたもそうだと思うよ。スマホで操作しないといけない武器とか超使いにくいよ。しかもあれ『拳』のときに指通して初めてメールが来るんだろう?凄く使いにくいよ。あと、メールのバイブがあるから、スニーキングに向いてない」

「ごもっとも…」

猛烈なダメ出しに若干泣きそうだ。

「あ、そういえば、明日から来るの少し遅くなるかもしれないんですけど、いいですか?」

「いい訳無いでしょ。事情を言ってみなさい」

「それがですね…かくかくしかじか(ちゃんと説明してる)で」

「真子ちゃんにそんなことがあったのかい?」

「じゃあ、正しい理由があるからいいよ。ただし!」

「ただし?」

「その真子ちゃんに告白した人を逐一報告しなさい。わかった?」

先生がキラキラした目で言ってくる。

「…外部に漏らさないでくださいね?」

「もちろん!」

「今日は田中ハジメでした」

すまん田中。

「今日もうあったのかい?転校してきて三日とかじゃ…」

「それだけ真子がモテるということだ。見ろあのルックス」

「…これだけ誉めてくれる彼氏がいるって、真子ちゃんは幸せ者だね…」

あ、やべ。先生(独身)が若干うんざりしてる。大丈夫かこの人。

「ま、まあ、そういう訳なので、最初五分ほど抜けます。なんかしようとした奴が居たら捕まえるので」

「はい、分かりました。そうじゃなくても、最後にキスしてとかいやらしいことしようとか言ったらセクハラで逮捕していいから」

「え?じゃあ田中捕まえないと」

「…田中くん、おとなしい子だと思ってたのにな…」

先生が遠い目をしている。田中、君の事は忘れない。

「あ、でも田中くんは捕まえなくていいよ。証拠がない限り現行犯でしか捕まえられないから」

「ああ、そりゃそうですね」

抜かった。証人は第三者じゃないとダメだから、俺(彼女にセクハラされた被害者)と真子(実際にセクハラされた被害者)じゃ駄目なんだ。

「じゃ、今日はこの後何する?主な活動のパトロールはさっきしたし」

「適当に訓練とかしてればいいんじゃないかな?」

「そうだね。適当に訓練でもしよっか」

そんなこんなで、適当な訓練を始めた俺たちは、一時間ほどで帰ったのだった。

亮太くんの武器は非常に使いにくく設定しました。

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