遊園地5
長かった、遊園地編…!疲れました!
特にコメント無かったので、書き方元に戻しましたので、あしからず。
役得。
そんな二文字が俺の中で舞い踊っていた。
「…真子、本当に大丈夫か?」
こうやって心配する言葉をかけるが、顔はにやけてしまう。らしくないとはわかっているが、しかしこの状況は天国だ。
この、真子が俺にしがみついている状況は。
「あ、あううぅ…」
お化け屋敷を必要以上に怖がり、すでに涙目な真子がかわいすぎる!しかも俺の腰にずっとしがみついているので、柔らかいものが!…やばい落ち着け俺。腰にしがみついてるってことは俺のモノがエッチスケッチな状態になったらすぐにワンタッチしてしまう。そうなったら凄く恥ずかしい事になってしまう。落ち着け。
「…ひゃうっ!」
発泡スチロール製のハリボテゾンビ(塗装剥げかけで不自然に腕が千切れてる)がガラスの中で動いた。ってか震えた。それだけなのに真子らぎゅっとしがみつく力を強める。…そんなに苦手なのか?
「大丈夫だ。ここは小さいからな。ほら出口だぞ」
「あ、本当だ…」
いつもの丁寧語も崩れるレベルで怖かったらしい。罪悪感。
しかし、真子が気を抜いた直後。
「グアアアアア!!!」
「ふぎゃあああああ!!!」
最後のトラップなのであろうモンスターが出た。なんだこのフォルム、見たことない。
「きゅう…」
そして真子は眠りに落ちた。ある意味こいつは今日一番楽しんだ気がする。
外では慎とアネゴが待っていた。ニヤニヤしていたのたが、お姫様だっこされて気を失っている真子を見て戸惑っている。
そこに慎が一言。
「…どんな激しいプレイだったんだい?」
アネゴが咳を切ったように笑い出した。天然なのか、計算なのか。
「いや、なにもしてないからな。それよか、今日はもう帰ろう。いい時間だし、俺の相方がこれだからな」
「ああ、それは確かにね…くくっ!」
アネゴはやはり爆笑している。やっぱこの人どうにかならないのか。
「ん…亮太くん…?」
私は暗い中目を覚ました。まだお化け屋敷の中なのかと思ったけど、地面がふかふかしてるからすぐに違う、とわかった。
手に何か温もりを感じる。見ると、それは亮太くんの手だった。
時計を見るともう10時だ。多分寝ている私についていたら眠くなっちゃったんだと思う。人間の感情って伝染るらしいからなあ。
「ん…」
無防備に寝てる亮太くんの手を少しにぎにぎしてみる。大きい。それに、温かくて、優しい手。
男の子なんだなあ、って思う。まあ、ベッドの上の事を考えたら立派に男の子なんだけどね。
「ううん…」
亮太くんが声を漏らした。私より低い、男の子の声。でも少年っぽさも混じってて、すごく心地いい声。
安心しきっている亮太くんの寝顔を見ながら思う。
ーーーかっこいいなあ。
亮太くんはよく私の事をかわいいって言ってくれるけど、睫毛の長い鋭い目、笑ったときの悪戯っぽい顔、照れたときの頬を掻く癖、綺麗なのに常にちょっとボサボサの髪。
すごくかっこいいと思う。それに。
包容力のある、優しい性格。
…もう辛抱たまらんっ!
ベッドの傍らで座ったまま寝てる亮太くんをベッドに乗せて(結構重かった。鍛えてるんだね)、ぎゅ~っと抱き締めながら寝る。幸せだな、と思って、どうしようもなく顔が緩んだ。
…大好きっ!
…もちろん、目覚ましもかけずに寝たので次の日亮太くんが盛大に遅刻したのは言うまでもないです。ごめんなさいっ!亮太くん!
色んなキャラクターの目線から書くのってそんなに好きじゃないんですけど、ここではどうしてもやりたかったんです。




