遊園地1
普段よりちょっと長めかな…?いつもこれくらい書けたらいいんですけど。
事後のほのぼのラブラブイチャイチャタイムは終了。せっかく休みなんだ。先生にはこういってやりたい。
やることがあると言ったな、あれは嘘だ!
本当は真子とデートしたかっただけです、はい。
「真子。デートに行かないか?」
「デートですか!?行きます!」
よし、デートの約束取り付け完了。
俺がどこへ行くかな、と悩んでいると、不意にチャイムが鳴り響いた。
「誰だろう?出てくる」
宅配便か何かだろうか。親父からの贈り物かもしれない。気を付けておこう。
ガチャ。
「やあ!亮太。いい天気だね!」
「よう、新入り。遊びに来たよ」
慎とアネゴが居た。
バタン。
ドアを閉めた。
ガチャリ。
鍵を掛けた。
カチャカチャ
チェーンを付けた。
「…さて、真子!どこに行こうか!」
「いや、誰か来てましたよね!?」
「そんなことは知らない。誰もいなかった」
しかし鳴り響くチャイム連打。チッ。めんどくさい。しぶしぶドアを開ける。
「なんだよ。俺と真子は今からデートに行くんだ。何の用だ」
「…機嫌悪いなあ。せっかくこれをプレゼントしようと思ったのに」
そう言って取り出したのは遊園地のチケット。おお、あのでかいところか!
「ありがとう慎。んじゃな。また明後日。おっと、アネゴは明日」
「いや、これ四枚あるんだよね」
「俺たちは後日行くから」
「そんなことあたしたちが許すと思ってるのかい?」
「これをあげる条件は『四人で行くこと』だよ」
えー…俺と真子のスイートな時間が…
「…ちょっと待ってくれ。真子ー!」
「はい?どうしました?…あれ、慎さん!…と、えっと…手錠の人ですよね?」
「そうだよ。あの時は大変だったね」
「なんだかアネゴって感じがします!アネゴさんと呼ばせて頂いてもよろしいでしょうか!」
「…別にいいんだけどね」
アネゴの顔が引き吊っている。意外とアネゴって呼ばれたくないのかもしれない。いや、呼び続けるけどね?
「どうする?真子」
「いいですけど…でも、夜は二人にさせて下さいね?」
「もちろんだよ」
「あんたたちも熱いねえ…」
慎は微笑ましそうに、アネゴはニヤニヤとからかいながら見てくる。こういう視線は慣れない。どうにかならないものか。
「あれ、そういや二人は知り合いだったのか?」
俺と慎は同じクラスだが、俺とアネゴのクラスは違う。あまり面識があるようには思えないが、一年の時一緒立ったのだろうか。
「いや、今知り合ったけど?」
「こいつとあたしは初めて会ったよ」
何て言うか、この人たちの対人スキルパねえな。俺は改めてそう思った。
遊園地到着。読者の皆は場面転換に2秒も掛かってないだろうけど、俺たちは一時間掛けた。遠いよ、馬鹿。
しかし俺の心は割と踊っていた。
「遊園地!何年ぶりだろうな!」
うちは親が遊園地に連れていってくれるタイプではなかったので、最後に行ったのは小学校の卒業祝いだったりする。ざっと4.5年ぶりだ。
真子はもっと心踊っているようだ。
「遊園地!初めてです!」
真子の両親はうちの親の比じゃないくらい忙しかったらしく、遊園地どころか遊びに連れていってもらった記憶がないそうだ。もちろんあまり会えないので溺愛してたそうなのだが。
「しかもそれが恋人とお友達とだなんて…幸せです…」
「これからは俺が連れてってやるからな」
「はい!楽しみにしてます!」
真子が喜んでくれるなら何度でも遊園地へ来よう!
「…あの二人、二人の世界を作り上げてるね」
「何なんだろうね。チケット用意したのあたしなのに…」
後ろで二人が何か呟いてる気がするが、まあきっと大したことじゃないだろう。
「それよか、飯どうする?ここは何が食えるんだ?」
時計を見るともう昼過ぎだ。結構腹が減ってきた。
「ここはサンドイッチとかハンバーガーとかがあるよ」
「まあ、テーマパークだから高いんだけどね」
ふむ。じゃあ何を食べようか。
結果、多数決でハンバーガーになった。サンドイッチよりボリュームもあるしな。
入店する。店のなかは美味そうな臭いが充満していた。
「何にする?」
「僕はこの魚のやつ」
「あたしは月見のやつだね」
「私はこのマフィンのやつにします」
「じゃあ俺はテリヤキのやつで…すいませーん!」
店員を読んで注文をする。皆で雑談していると、バーガーはほどなくして来た。
「「「「いただきまーす!」」」」
パク。うむ、美味い。たぶん味自体は他のところと変わらないんだろうが、テーマパークで食べる雰囲気がある。祭の焼きそばが美味いのと一緒だ。
「あ、亮太くん、口にソースが…」
真子が指でソースをぬぐってぺろりと舐める。
「あ、すまない」
「ついでに俺のモノを舐めてくれないか」
「キャー!亮太くんったらー!」
…こいつら、どうにかした方がいい気がする。まさか下ネタで来るとは。
隣で真子も顔を赤くしていた。…昨日はそんなことはやっていませんよ。いや本当だってば。
食べ盛りの高校生。すぐにハンバーガーは食べ終わる。
「んー…ちょっと足りないねえ」
「でもこれから遊ぶんだからこんなもんの方がいいだろ」
俺が一人で会計を済ませようとする。チケット貰ったしこれくらいは出すとしよう。生活費俺持ちだから真子の分はどのみち払うことになるし。
「ああ、いいんだよ?亮太。自分の分くらい自分で払うさ」
「あたしたちだってあのチケット貰い物だし」
「私の貯金は…亮太くんに預けてます…」
みんな自分の分を出そうとしてくれている。いい奴等だな…そういえば、こういうお金のやりくりって主婦がやるものじゃないだろうか?別にいいんだけど。




