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職業※お気に入り件数突破

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お気に入り件数1000件突破、公開設定

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◆術式師

 この世のもう一つの法則、源素を操作し陣を構築する技術を持つ人々のこと。

 感情操作による源素の操作、陣という配列法則を理解し、この世の裏法則をもってありえない結果を生み出す。

 つまりは魔法使いのこと。

 高い精神性と知識に対する貪欲さ、どんな状況でも動じず行動できないと術式師としては一般とは言えない……そういう時期がリスリアにもありました。いえ、そういう時期、ど真ん中ですけどね?

 彼らは世界真理の一つ、【源理世界】を見る『眼』を持ち(持たない人の方が多いですが)、日常では火を起こし、水を産み出し、戦争、冒険などの威力を保持するものです。

 手に剣を持たない威力という特性から、多くの場所で活躍します。

 特にリスリアでは施工業者と相性が良いようです。

 総人数的には軍部よりも多いのです。それだけ一般に即した術式もあるということですね。

 つまり、使おうと思えば簡単なのです。

 ですが戦場や冒険などで使えるレベルに到達するには並の努力ではないようです。


 昔から師による薫陶を授かり、何年も専門の修行をし、ようやく現場に即した術式師として活躍できるのです。

 また魔獣という生物がいて、その源素を浄化できるのも術式師だけです。

 そうして生まれた術式師はある程度まで術式を収めると独自の術式陣研究を始め、人のいない場所で秘術を編み出そうとします。

 これは術式師の癖というよりも、術式の開発を個人でしたくなる病みたいなものです。

 迫害の時代もあったので、魔獣との関係性もあり、複雑な状況が「一人にしてくれ」的な気分にさせるのでしょう。


 実際、一人で篭るよりか国に抱えてもらうほうが賢明なため、国の研究所に所属する人とは半々と言ったところです。


 そして術式師は術式を極めていくと、やがて彼らの視界に【源素世界】と【現理世界】を繋ぐ門のようなものが在ると理解できるようになります。

 その形はとても抽象的で、個人によって様々な形をしていますが、この【門】を開けることができればその術式師は古今東西に並ぶ大術式師となれるのです。


 【ザ・プール】と呼ばれる技術はこの【門】をうっすらと感じられるようになってから使いこなしていける技術です。

 感覚的に【門】を開けるのではなく解体する、でしょうか。

 解体に必要な力が【門】を開けるのに必要になってくるわけですね。


 こうして歴史に登場する大術式師になることは術式師全ての夢と言ってもいいでしょう。

 例えそれが狂人としての道だとしても。


 もっとも有名な術式師は【タクティクス・ブロンド】です。

 もはや自然災害と同等とされており、彼らは一人で一軍と同じ戦略価値を持ちます。


 現在、ヨシュアンの行っている教育方法、その生徒たちのレベルを考えると極めて効率のいい教育を施していることになります。


◆錬成師

 様々な学問に精通し、源素を用いた秘薬を作り出す学びの探求者。

 彼らは『究極の純粋』と呼ばれる物質を目指しており、その知識量はとても一個人に収められるものではないでしょう。

 【現理世界】の法則と【源理世界】の法則、両方を理解していないといけないのですから。

 しかし、多くの錬成師は副産物の方へと意識が向いてしまいます。

 彼らが研究過程で生み出す、『純粋の不純物』いわゆる薬や技術、方式や製法は人類文化に大きく貢献を果たします。


 その結果、富や名声を得られてしまう彼らはやがて『純粋』よりも『金の輝き』に魅入られ、道を踏み外していきます。

 真に己の欲望と向き合う必要がある学問であり、それを収める者も当然、高い精神性を必要とします。


 今では『究極の純粋』というものはただの概念で、個人個人の目指す『純粋』こそが錬成師の求める者だとされていますが、未だ一部の者はこの『純粋』を求めて日夜、怪しげな研究を繰り返しています。


 そんな彼らこそ『純粋』だと、探求する者はうわごとのように言うでしょう。


 一言に錬成師と言っても、その内容は様々で鍛冶屋なのに錬成師を名乗る者もいます。

 それは様々な学問を扱っている弊害とも言えるでしょう。

 とにかく多岐に渡っており、それぞれの分野に特化した錬成師は『薬学錬成師』や『思想錬成師』『工学錬成師』などと頭にその分野の項目が追加されます。


 時には戦う錬成師もいます。

 深い薬学の知識や爆発物、そして周囲にあるものを利用した戦い方は賢者とも称され、現在の最新戦闘ポジションではキャスター(後衛)に分類されますが、コマンドポストやサポーターも兼ねることができる万能後衛として活躍しますが、彼らの行動は他人からすれば何をしているかわからないので、錬成師を戦闘職だと思う人はいないでしょう。

 錬成師と聞けば、研究職。

 それが一般人の、彼らへのイメージです。



◆騎士

 王国の武の元、王に剣を捧げて、国のために働く武力。

 それが騎士です。

 多くは叙勲式によって騎士の位を与えられますが、その道のりはいうほど簡単ではありません。

 騎士になろうとするのなら、まずは騎士のお付きとして修練を積まねばなりません。

 騎士見習いは必ず、一人の正騎士に付き従い、時には複数の騎士見習いが正騎士につきます。

 正騎士の防具の着用、御飯の用意、そうした一般の手間を正騎士ではなく見習いが行うことで騎士は厳しい訓練に集中できるのです。

 その訓練は過酷で、年に何人もの脱落者を生むほどなので高額所得と位と引き換えにするには非常に厳しい道と言えるでしょう。


 しかし、合図一つで一斉に集団行動をとり、制圧、殲滅などの戦争で活躍する場面も多く、武力による警邏などの治安維持に務める姿はその国の少年たちの憧れです。

 厳しい修行の毎日でも安定した高額給料、というのはどの世界線でも憧れのようですね。誰もが一度は考えるはずです。


 よく同じ職種で兵と混同されますが、兵は基本、務めが期間で決められているのに対し騎士は終身か使えなくなるまで雇用されます。

 騎士になれば最後、壊れるまで騎士という肉体派職業なので素人にはオススメできない。ドM御用達しである。


 時にそうした故障者は街や村で剣術指南の道場を開き、その教えを受けた者が冒険者になろうとするようです。

 なので普通に考えると騎士より強い冒険者は少ないのですが、時にそうした流れを越える天才などに出会うこともあるでしょう。

 そうした者は騎士に勧誘されることもあり、間口は完全に実力者のために開かれています。


 有名な騎士団を少し紹介していきましょう。


 リスリアでは法術式騎士団、通称、白陣と呼ばれる騎士です。彼らの鎧は全て白で統一され、赤いラインと法術式騎士団の紋章である『六芒星を掴む鷹』を胸に刻んでいます。

 帝国では【キルヒア・ライン】。通称、黒装です。その名前のとおり、黒い刻術防具に身を包み、金のラインはエリートの証です。厳格で克己に溢れた帝国の剣です。紋章は『蛇を食う鷲』です。

 そして法国は神殿騎士たちでしょう。彼らは統一された規格こそありませんが教義によって武力を定められた神意の尖兵で、ヴェーア種やリーゼス種などの複数の種族としての混成部隊は既存のどの軍勢よりも自由に動き回り敵性分子を殲滅します。


 三国のどれも強い騎士団を抱えているのはそれだけ騎士の汎用性の高さを伺えます。


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お気に入り件数1100件数突破 公開設定

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◆冒険者

 ファンタジーでお馴染みの何でも屋さん。

 ここでも例から漏れませんが、この世界の冒険者は元が開拓者となります。

 国が開拓の仕事を押し付ける代わりに、褒美として土地を与える、こうした事業が先に立ちました。

 この時の事業の内容に、その場の宝、つまり遺跡などに眠るものを拾得しても良いとされたことが開拓熱の始まりです。

 最初期は問題がなかったのですが開拓していくうちに、独立してしまったり、他国とぶつかって小競り合いするようになったりしたからさぁ大変。

 やがて三国の形に落ち着くと、開拓者は開拓できなくなりました。

 他国の領地を開拓してしまうので戦争のきっかけにもなりかねなくなったのです。

 そこで開拓の力を内部への治安構想に取り込むことで、今の何でも屋さんとしての冒険者が誕生しました。


 こうして歴史を語るとまるで国営のようですが、実は民営で、国の依頼や要望、政策を受ける民営と言えるでしょう。民営?


 現在は領地や農地に侵入してくる魔獣や原生生物、都市内部で繁殖した小型原生生物の駆除を始め、時には荷物運びや他国の情報を持って帰る仕事や守衛の代わり、欲しいものを手に入れるための手段と言えるでしょう。


 冒険者は様々な職種の人で溢れているので一概に言えませんが、総じて体力が余った一攫千金目当ての者や、日銭を稼ぐために渋々行っている者、そして、まだまだ広い世界の開拓を諦めきれないドリーマーの巣窟です。


 小隊規模で動くことが多く、時には正騎士たちの団体行動なんかよりもはるかに優れた連携を見せるときがありますが、基本は才覚や克己心のあるなしで実力に大きな差があるため、実力のほどはその小隊ごとにマチマチです。


 国が戦争を行った場合にのみ、特殊な仕事に『国益依頼』が発生し、戦争に傭兵枠として参加でき、うまくすれば国でも覚えてもらえるかもしれない名誉が手に入るなどのチャンスも多いお仕事です。


 皆様も是非、冒険者になってみませんか?

 危険も多く、成功報酬は実力によりますが一般の生活では手に入らないスリルやお宝が手に入るやもしれませんよ?


 

◆学園生徒

 職業というかリスリアでも初の限定身分です。

 リスリア王国でも初めての学校、リーングラード学園に所属する生徒たちは学園で教師から薫陶を受けている間、世間のどの身分にも当てはまらない保護された身分を与えられます。

 学園生徒である者は例え貴族であっても学びの使徒とされ、外の身分のままで振舞うことを禁止されています。

 同時に外の身分の者は学園生徒に干渉を禁じられています。

 もっとも学園生徒が悪さをした場合は相応の罰が学園から与えられますが。


 もしも干渉できる時があるのなら、それは家の都合――訃報や家督を継ぐなどの特殊な事情にのみ、生徒を連れて行くことができます。冠婚葬祭は重要ですからね。


 学園生徒たちは総じて未熟で、まだまだ発展途上にありますが教師たちのたゆまない授業成果から、時には冒険者や正騎士を上回る才覚を発揮する場合があります。


 普通の冒険者や正騎士と遜色ない教育を受けている学園生徒は、侮れない存在でもあります。

 その年齢は発展途上であることも差っ引いて、皆、十代なので若さゆえの過ちもありますが、全て国の宝と言ってもいいでしょう。


 現在、試験運用中とされていて、学園生徒の身分を持つ者は30名しかいませんが、将来的には増える可能性の高い身分でもあります。

 もっとも現在の政策の結果、どういう扱いになるのかまでは保障できませんが。


◆星詠み

 作中では最初にしかでなかった謎の人物。

 この人の発奮がヨシュアンの教師就任を決定づけた。

 王国や帝国の未来を見通し、危険な政策だった場合、その言付けを王にする【神話級】保持者のことです。

 【神話級】保持者とされていますが、あまり数のいない【神話級】保持者が未来予知を必ず持っているとは限らず、星詠みがいない時期もよくあります。

 もしもその代、星詠みがいなかった場合、法国が保有する【神話級】保持者を借り受けることができます。

 しかし、借り受けた場合、星詠みには厳しい制約が設けられます。

 身体の数箇所に専用の術式具をつけられ、問題のある国政に対して嘘をつくことも黙ることもできず、背けば死にます。

 ある意味、国のための人柱な存在でもありますが、自国で産まれ、保護された場合は手厚い保証と保護を得られます。

 そのVIPっぷりは王妃に匹敵するほどです。


 その役目上、政策そのものには関わりません。

 まだ星詠みに見通しを頼むかどうかもその代の国王に任され、わりと暇なことが多いようです。


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お気に入り件数1200件、突破記念

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◆施工業者

 建物を作る大工さんのことです。

 その歴史は人が住居を作る頃からあり、明確な職種として土木工学が生まれるのはずいぶん先になります。

 基本は親方のノウハウを弟子が綿々と受け継いでいき、時には改良することで技術を進歩させてきました。

 暖簾分けで増える職種ですね。

 この世界においては術式は立派な武器であると同時に、土木工事のための道具でもあります。

 そもそも土木工事に術式が利用されたのは近年からで、歴史は300年も経っていません。

 黄属性の性質変化により大地を動かす術式を見て、ある大工さんが閃いたところから施工術式なるもののジャンルが生まれました。


 今でもその大工さんが愛用したという大木槌は術式施工業者のシンボルであり、どんな施工業者であっても大木槌をシンボルマークにしています。


 力仕事であるため男のみの職業ではありますが、近年、デザインセンスは女性のほうが優れているため、表面デザインだけを女性や妻に任せることがあるようです。

 いわゆるデザイン外注と言ったスキマ産業も行われているようです。


 作中、リーングラード学園を作り出した大工さんたちは【宿泊施設】に住みながら、【貴賓館】を作ったりしていますが、材木の建材が足りず困っているようで生徒たちに色々と依頼していることが多くなってきました。

 こんなところで小さな流通が生まれています。

 なお、これは予想された流通で、実社会でも生徒会の役割を冒険者が担っています。


 とりあえずリスリア王国の術式師は登録制なので、登録したら施工業者になるのが大半です。そのほかだと術式団か才能ある者が術式騎士か冒険者になります。


◆樹木医

 樹木の病気を治すお医者さんのことですが、ユーグニスタニアでこの樹木医のヒト種はいません。

 この職業についているのはエルフかマグル族だけです。

 エルフは樹木と共に過ごしているためと、彼らは生まれてすぐ自分の分身となる木を植える習性があります。

 分身の木が枯れてもエルフにはなんの痛痒もありませんが、大層、不吉とされており、こうした事態を防ぐためにエルフでも樹木に詳しい者が樹木医となり、森の病を癒します。

 文化として樹木医が生まれたのです。


 一方、マグル族の樹木医は植林や源素的なバランスを考えた、不思議な森専用の樹木医です。

 魔獣によって荒らされた土地に源素のバランスを整える『トトの樹』を植えるのもマグル族の仕事です。

 彼らが何故、樹木医という職種を作ったのは謎とされていて、一説にはマグル族の長でもある『賢しき岩の王』の指示ではないかと言われています。


 マグルの樹木医は源素を排出する不思議な木の種を何種類か持ち歩いており、中でも白の属性と緑の属性、その二つがないと飢えて死んでしまうフェーリアーはマグル族の作った森に住み、フェーリアーが住む森は森の循環速度を早めるので共生関係にあり、マグル族の目的とも合致しているようです。


 こうした樹木医は度々、人の里に降りてきて樹木の大切さをヒト種に語ります。

 これを煩わしく感じたハイランダーたちは樹木医を排して、同時に異種族を嫌い、資源を好き放題使うようになり現在の帝国の形へと足を進ませました。

 リスリアはまだ樹木医たちと仲が良いほうですが、目の前にたくさんの森があるのに森を減らしてはいけないという樹木医たちの言葉に半信半疑です。

 そして法国では樹木と共生関係にある種族もいるため、樹木医たちの発言権は高く、法国には専門の研究施設まであります。

 樹木医たちの活躍で法国の森はますますワンダーランドになっていくでしょう。


◆農民

 僕たち、私たちの農民だ……いやらしい。

 社会の一番下の業者ですが、いないと非常に困る大事な一次生産者でもあります。

 日夜、畑作と共に過ごしている彼らは気温や季節に敏感です。

 何せ、植えの季節や収穫の季節がわからないと農民は商売上がったりですからね。


 その仕事のせいか度々、搾取の対象になります。

 彼らも国という共同体に属している以上、税を払うのは当然ですが、畑作に理解のない領主の下だと彼らを種を蒔いているだけで餌がもらえる怠惰なものと考えています。

 実際、ハードスケジュールなのは一度でも畑を触ったことがある者ならわかるでしょう。

 ガーデニングでも可。


 時々、仕事ができなくなった術式師が術式で畑作を行うことがあります。

 水をシャワーのように作物に与えたり、土を施工術式で開拓したり、かなり仕事を楽にする方法があり、まだまだ研究の余地がある職種でしょう。


 農民たちの強さを知らしめたのはリスリア王国のランスバール革命でしょう。

 

 ランスバールの音頭によって南部開拓地に食料地を作ったその手腕はのちのちまで語り草とされています。

 革命軍の生命線を支えた農民たちは有事の際にはクワや鋤で戦い、農民兵、後に民兵の重要性を高めました。


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