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弁えすぎた令嬢  作者: ねこまんまときみどりのことり


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カンラの状態

 カザンサススノーから逃亡した元王女や元側妃達は、コロネと一緒に食堂の宿にいた。



 腹部を病んでいたカンラは、ミカヌレ達が到着した時には既に虫の息であり、リオニオンは世界樹の葉を使用した。


 本来万能薬である世界樹の葉は、世の理を覆す程の奇跡を持ち、エルフの国の王子(ラディッシュ)だからと言っておいそれとは使えない。


 それを彼は、他者を救う為に差し出した。

 王子であるラディッシュに渡され、使ったのはリオニオンだが、緊急時に使用する許可を出したのは、間違いなく(ラディッシュ)だった。


 世界樹の葉は枯れないが、増える枚数は少ない。その為に100年単位で、使用できる枚数は決まっている。


 ラディッシュは世界樹の葉を大事にしまっていた。それこそ常に巾着に入れて、持ち歩く程に。


 ネリネが溺れた時、妖精に(世界樹の葉の)欠片を使えたのもそのせいである。


 ネリネには死の影がなかったので、使用しなかったのだ。



 自ら(ラディッシュ)は病気をしても、お守りとして使わずに自力で治癒をしてきた。

 人間界に来てからの流行り病で、酷い熱と咳が続き、使った方が良いのではないかとガンテツが思う時でも、薬で治した程だ。


 それくらい丁重に扱っている物なのだ。



 遠くで見守っていたリオニオンが、もう少し悪化すれば自分のもの(世界樹の葉)を使おうとヤキモキしていたくらいだった。

 この時はラディッシュの自立の為に、リオニオンとエッダは隠れて護衛していた為、容易に姿を現せない状況であった。





◇◇◇

 かつて世界に4本あった世界樹の木の3つは、権力者の乱用で枯れてしまった。全て権力者とその血縁者で使ってしまったようだ。


 本当の危機に使用する。

 出来る限り使わない。


 エルフ全体がそんな心構えの為、世界樹の木が残っているのだろう。使うことがない方が良い。最後の砦のように考えて。



 ただ今回の使い方は、ラディッシュを含めたエルフ達も納得している。それにもしカンラが亡くなっていたなら側妃達は悲しみに堕ち、あの場所から動けなかっただろう。


 絶望していたカンラが回復し、泣き伏していた母のルトースはあの場所で力を取り戻した。


 コロネの住む宿に移動した直後からバリバリと動き、食事作りを手伝っていたくらいだ。



「みなさんは娘の恩人です。私にできる恩返しなら何でもしますからね。まずはお手伝いしたお料理を食べてみて下さいな。手持ちのスパイスで味付けしたピリ辛唐揚げです。たくさん食べて下さいね」



 病み上がりのカンラも、ピリ辛唐揚げに目が釘付けだった。さすがの世界樹の葉は回復も早いようだ。それかカンラが食いしん坊なのか?



「お母様、私の分もあるかしら? もうお腹がペコペコなの。ずっと水しか飲んでないから!」


 娘の様子にたじろぐ母ルトース。


「さすがに唐揚げは早いんじゃない? お粥からにしたら? 作ってあるわよ」


 けれどカンラは首を横に振る。

「大丈夫よ、お母様。自分の体調は、自分で分かるもの。お願いよ、唐揚げを食べさせて!!!」



 その勢いにルトースは、「じゃあ、1個だけよ」とお皿を差し出した。


「嬉しいわ。ありがとうね!」


 ペロッと食べて、「もう一つお願い」と笑うカンラに、周囲も目を見張った。そして結局ねだりにねだって、唐揚げを4個食べてからお粥も食べてベッドに戻ったのだった。



(世界樹ってすごいのね)


(あんなに苦しんでいたのに、元気になったんだぁ。良かったわ)


(それほど唐揚げが上手いと言うことか? じゃあ、俺も)


(カンラぁ。飛ばし過ぎよ! でもすっかり元気ね)




 どうやらカンラは、すっかり回復したようである。






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