表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弁えすぎた令嬢  作者: ねこまんまときみどりのことり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/118

メディアルの後悔

 月が明るく夜空に輝く時間。


 チャルメから預かった風の妖精達は、出窓に作った小さいベッドで眠っている。

 妖精に睡眠は不要だと言うが、みんなチャルメと一緒にいるせいか、夜は普通に眠たくなるみたいだ。




「ねえ、コロネ。エクレアーヌ(ミカヌレ)とモロコシは、相当苦労したのよね。それに……もうガシェラール王国の民は2人だけなのかな?」


 他の妖精が寝静まった後、いつもコロネにくっついているメディアルがヒョッコリと顔を出し、ポツリと呟いた。


 ベッドで横になっていたコロネは、暫く反応のなかった彼女(メディアル)に少しだけ驚いた。


 それでも元気がなかった彼女(メディアル)からの反応は嬉しく、コロネは真剣に答えていく。



「お母様がモロコシに聞いた話だと殆どの島民は戦死し、生き残った者は捕虜にされてカザンサススノー国に連れて行かれたらしいわ。その後は数年の労役の後解放されたみたいだから、他にも生き残りはいる筈よ」 


「そうなのね。良かった……。でも苦しい思いはしていないかな? 元気で暮らしているのかな?」 


「そこまでは……分からないわ。でも元気でいてくれたら良いわね。お母様もモロコシも、今は幸せだし。人間は希望があればへこたれないからさ」


 

「そっか。そうだと良いな。私も少し探したけど、エクレアーヌとモロコシ意外に、エヴァンの気配を持つ人間を見つけられなかったの。きっと何処かにはいるわよね」



 メディアルはミカヌレの過去を知り、申し訳なくて気軽に傍に寄れないと言う。自分が島にいれば、少しは抵抗できた筈なのにと後悔して。


 でも傍にいたくて、コロネの近くから離れないらしい。水色の髪と瞳を持ち、エヴァン似のミカヌレの近くにいたくて。




 ガシェラール王国が滅び、メディアルのことで縁を結んでいたウンディーネは深く悲しんだ。

 大精霊は力が膨大過ぎる為、人間の戦いには参加できないのだ。参加した時点でそれは、人間の戦いから外れてしまうから。


 戦いが終わった後、ウンディーネは亡くなった民を忍ぶかのように、島の周囲を嵐で覆い沖には渦潮を作ってカザンサススノー国の軍人を近付けないようにしていた。それは現在も続いている。




 エヴァンと離婚をして島を離れた過去のあるメディアルだが、そもそも人間の寿命は短い。もう何百年も前の昔のことだ。


 けれどエヴァンを裏切った負い目のあるメディアルは、あの島にもウンディーネにも会うことなく避け続けていた。

 その間にカザンサススノー国に、島は滅ぼされてしまった。


 大精霊ウンディーネに守られし島は守りが強く発動中の為、メディアルは吹き飛ばされ近付くことも出来ないのだ。




 

◇◇◇

 悲しげに俯くメディアルを見ると、コロネは切なくなる。もうエヴァンはいなくても思い出は消えないから、島に行きたいのだろう。


 そしてコロネは考える。



 ニズラッシェリル国にはノーム(地の大妖精)、サクラアイランドにはシルフとシルフィード(風の大精霊)がいる。そして水の加護を強く持ったミカヌレと、火の加護を持つモモもいる。


 この5人がいれば、ラディッシュの空間転移で島へ移動しても何とかなるのではないかと。



「島に入ることができれば、きっとお母様もモロコシも喜ぶよ。私、相談してみるね」


「ええっ。本当に! 頼むわね、コロネ」


「うん。まずは明日、お母様とモモさんに聞いてみるよ。ラディッシュとチャルメには、こっちに戻って来た時にね」


「分かった。よろしく頼むよ!」



 メディアルの笑顔を見て眠りに就くコロネは、新しい大地に思いを馳せていた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ