王様
僕の前に座った王様は40歳半ば程で銀色の髪にお髭で緑がかった目のカッコいい叔父様で、その横にいる大神官様は真っ白のお髭に眉毛も長くて真っ白の紫の目のお歳のわからないお爺ちゃんでした。
「さて、王よ。少しは大人になったかの?」
えっ・・・雪の言葉使いか急に砕けたような気がする。
「これはフェンリル様、私ももう40もなかば十分に渋い大人になっておりますぞ」
「ホッホッ」
それを大神官様が笑ってながしている。
最初に見た畏まった様子はなんだっんだろうと思わないでもないけど、人と雪との関係は良い関係であるようだ。
「ヨークの笑いを見るに、まだまだ修まってはおらぬようだがな」
「このジジに言わせれば、まだまだですのー」
「ふん、こんな年寄りと一緒ににされては堪りませんな」
「そちらも相変わらずだな」
大楊に頷き雪が笑った。
「さて、早速で悪いのだがなヒオの話しをさせてもらおう」
「「はい」」
そこから雪は自分か怪我をした経緯と僕と出会った時の事、神の導きで僕と伴にこの世界に帰ってきた事を話せる範囲で話した。
僕のあちらの世界での事は母と二人であった事と母が亡くなってしまった事だけを伝えてある。
王様も大神官様も痛ましそうな視線を僕に向けたけど、
今の僕は雪も毛玉もいるし、なにより自由に空を駆け回れるから、こんなに幸せだよって伝えた。
「それで、そちらに手間をかけるが、ヒオの魔力の鑑定と街を移動できるように見習い証明を作ってほしいのだ」
「わかりました。では早速鑑定から始めましょう」
大神官様がそう言ってドアまで歩き、外に声をかける。
すると直ぐに部屋に大きな水晶の載った台が運び込まれ
青いカードも一緒に準備された。
「さぁヒオ様、この水晶に手を載せて下され」
「はい」
何が始まるか解らずに少しドキドキしながら水晶に手を載せた。
すると透明の水晶が光だし部屋が強い白い光で満たされた。
「これは・・・」
大神官様がそれだけを口にして押し黙る
「・・・」
王様も言葉もなくだまったままだ
それに僕はさらにドキドキしてしまいながら雪に助けを求めるように視線を送った。
「やはりか」
雪は溜め息をつきながらそう呟いた
「やはりとは?」
「すまぬな、王よ。ヒオは我の治療をする時に誤って我の魔力が流れ込んでしまったのだ。この世界にきてヒオの魔力がこの地に馴染むのを待つ間、我の住処にて少し訓練をしていたのたが、火、水、土、風、光全ての魔法で適正がでた上にライトの魔法をすれば常時ヒールが混ざってしまうなど、人としては魔力量が多すぎる事になってしまっていると思っていた」
「ライトにヒールが」
大神官様が呟く
「この結果は隠す事は可能かヨークよ」
「そうですな・・・隠蔽の魔法を掛けましょう、ですがフェンリル様」
「雪だ」
「はっ?」
「我の名は雪だ。ヒオと共に過ごし名を雪とした。ヨークとラベリオそなたらには雪と呼ぶ事を許そう」
「ありがとうございます。では雪様、この隠蔽の魔法はほとんどの者には隠せましょう。ですが私よりも隠蔽の力を持つ者には隠せませぬ」
「わかった」
「王、ラベリオよ。すまぬがそう言う事だ。ヒオの魔力と適正はすまぬが、暫くの間、隠蔽する事としたい」
「畏まりました。されど雪様、ヒオ様は雪様とそちらのブラックワールドキャットだけで旅をされるのか?」
「その予定だが」
「ふむ・・・それはいくら通行証が在ろうともスムーズに行かない事も多いでしょう。いくら雪様と一緒であったとしても、一般の者にとっては不安に写るし、襲いやすそうに映るのです」
「そうでしょうなー」
そうかーそうだよな、年端もいかない子供が魔獸と一緒にきたら、まず親を探すか他の大人を探すだろうし、万が一前にそんなのがポテポテ歩いていたら物取りなら身ぐるみ剥がしてやろうと思うだろう。なんなら人さらいとか奴隷とか、前の世界でだって誘拐とかあるのだから。
僕はそう思ってなんとなくしょんぼりとしてしまう。
すると何事か考えていた王様がちょっと悪い顔でニヤリと笑った。いけ叔父だ。
「私が若ければ一緒に行きたいものですが、雪様紹介したい者が一人おります。お会い頂けますか?」
「かまわぬ」
王様は雪の許可を貰うと部屋から出て行った。
それをみて大神官様が何かわかったかのように苦笑いした。
そしてふとこちらを見て、にこりとした。
「ヒオ様」
「あっ、あのどうぞヒオと呼んで下さい。僕はただの子供なので様と言われると変な気持ちがするんです」
「わかりました。ではヒオ」
「はい」
「良くこの世界にいらっしゃいましたね。歓迎しますよ。どうぞ雪様とともに、この地をこの世界を楽しんで下さいね」
その言葉がすとんと胸に落ちた
「はい。ありがとうございます」
嬉しくて横にいる毛玉をもふもふしてしまった。
「何するにゃ、毛が乱れたにゃよ」
「毛玉も一緒にに楽しもうね」
「当たり前にゃ、サオは毛玉についてくるにゃ」
「うん、よろしくね」
そんな二人を微笑ましげに雪と大神官様が見つめていた。




