岩山を出る
今日も良い天気です。
こちらに来て二週間程たったかな?
雪がグリーンもできるので身体が汚れている感じはしない。お水もあるし、僕も魔法頑張ってお湯がでないかなとか練習もして、自分で自分の出した水(この日はお湯にならなかった)かぶったりしてたので汚なくないよ。
でもお洋服はやっぱりグリーンして綺麗にはなっても、生地は傷んでくる。薄くもなるしね。
(あちらの世界からきた時の服は寝てる時のままなので、Tシャツに短パンだったので男の子になった僕でも大丈夫。)
雪もそんな僕の服を見て何か思うところがあるような様子です。
今日も朝からTシャツを脱いで毛玉と一緒にホールの中を走り、ストレッチをしながら身体をほぐしていると、暫く何かを考えるように外の方に視線を飛ばしていた雪が声をかけてきた。
「ヒオ、毛玉、そろそろヒオの気もこの世界に馴染んできたようだ。そこで、ここを離れ街に向かおうと思う」
「街?」
「そうだ。一度街に出て、ヒオの事も見習い登録したいしな。」
「僕、こんなに小さいのに登録できる?だって多分、今の僕は五歳よりも小さく見えるよね?」
「ああ、そうだ。この世界に連れてくるのには小さいほうが門に負荷がかからないという事もあったし、ヒオも小さいほうが魔力が安定していたからな」
「それで、見習い登録?はこのぐらいでもできるの?僕が一人で行ってもいいの?」
「いや、一度、街にある城に行く」
雪は当たり前のようにそう言った
「城?なぜ?そんな所に行っても大丈夫?」
「我はこの地を守る神獸だぞ。大丈夫に決まっておるだろう。まぁ、後の事は我に任せればよい。さあ、ゆくぞ背に乗りなさい。毛玉お前もだ」
「はーい、ヒオ置いて行くにゃよ」
「待って、ハートとか星の石も持って行きたい。」
僕は一生懸命練習してやっと作れるようになったハートと星の石を手に持ち雪の背中に乗った。
それからの雪は地を駆けるとうより飛んで進んでいるかのようで、他の魔獸に出会う事もなく進んだ。
最初にこの地にきた時には、まだ完全には力が戻っていなくて飛べなかったんだって。
「凄ーい、雪、木があんなに下にあるよ、湖もあるんだね。下で見てみたかったなー」
「慌てずともこれから一緒に見てまわる事ができよう」
「本当?楽しみ。毛玉楽しみだね」
「そうにゃ、毛玉が一緒にいってやるにゃよ」
「うん、よろしくね」
「まかせるにゃ」
毛玉が雪の背の上で風に耳を伏せながら気持ち良さそうにしていた。
暫く行くと遠くに森の切れ目が見えてきたので高度を落とすのかと思っていたら、雪は更に高度を上げた。
そしてさらに飛び続けいくつかの街らしきものを通りすぎて大きな湖のある大きな街の上空でしばし留まり眼下にある城を見つめた。
「雪、あれがお城なの」
「ああ、そうだ。しっかりとシールドを張っているようだな。城全体が魔獸や魔物そして魔法を弾くようにシールドがはられている」
そう言いながら雪は徐々に下に下りてゆく。
お城がだいぶ大きくなってきたあたりで雪が空中の何かに乗ったかのように動きを止めた。
暫くすると下の城の方で白い服を着た何人かの人が現れ上空の僕達を指差した。
それでも雪は動かない。
下の動きが慌ただしくなり豪華そうな服を着た人が白い長いひげのお爺ちゃんと出てきて膝まずいた。
それを確認するとやっと雪は下に降り始め、所謂バルコニーと言われる場所に降り立った。
「フェンリル様」
豪華な服を着た壮年の男の人が雪に向かい頭を下げ、それに続くように後ろの人々も頭を下げた。
「王よ。即位式以来だな」
「はい。お久し振りでございます。このような場ではなく、どうぞ祈りの間にお通り下さいませ。」
そう言うと雪を通すようにサッと場所をあけた。
雪はそこを堂々と通り、知った場所のように、その祈りの間という所に向かった。
その雪を人々は頭を上げることなく膝間付き、人に寄っては祈るように手を合わせて見送っていた。
雪のたどり着いた部屋は祈りの間と言われたように祭壇のような物があり、キラキラと輝くガラスが光を反射した大きな広い部屋だった。
雪は部屋にたどり着くと身体を伏せて、僕と毛玉を下ろした。
そしてゆったりと、ここまで急いだ身体を休めるように横たえた。
この部屋には豪華な服を着た叔父さんと白い長い髭のお爺ちゃんが付いてきていた。
「フェンリル様、今回は急な訪れでございますが、何かございましたか?」
「王よ、今回は我の養い子を二人つれてきた。まぁ一人と一匹だがな」
「養い子、でございますか?」
「そうだ、ブラックワールドキャットは我が魔獸より助けて育てておる。そして、人の子はヒオという。ヒオは異界の地よりこの地に神の導きにより参った。我の命を救ってくれた者だ。」
「なんと、神の導きでこの地に、さらにフェンリル様のお命を・・・ヒオ様この地にようこそおいで下さいました。またフェンリル様のお命をお救い頂き厚く御礼申し上げます。」
王様はそう言うとお爺ちゃんと一緒に深々と頭を下げた
「えつ、イヤ僕は別に・・・雪」
「王よ、かまわぬ。少しゆっくりと話しをしよう。そちらも座ると良い」
「ありがとうございます。では失礼して」
王様はそう言うと外に自分で歩いていき声をかけてソファーを準備させた。
直ぐに部屋の中に大きな一人掛け用の椅子が2つ入れられ、反対側に二人掛け用の椅子が準備された。
雪の為には大きなクッションごいくつもいくつも準備されて雪はそこに王者のようにゆったりと横になった。
毛玉は当然のように二人掛けのソファーに飛び乗り、身体を伸ばしみ毛繕いを始めたので僕はその横に座った。
正面に王様とお爺ちゃん(大神官様だった)が座り僕の前にジュースが毛玉の前にミルクが出された。
雪は断ってた。




