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私?僕?

一眠りして目が覚める。

丸まった雪のお腹に包まれて寝ていたようだ。

そして胸元には毛玉も丸まって眠っていて、

フワフワで暖かくて、とても幸せな気分で目が覚めた。



「サオ目が覚めたようだな」

「うん、雪とっても暖かかった、ありがとう」

「そうか・・・さて、ではサオ早速だが話をしよう」

「うん」

改めて雪に声を掛けられて雪の前に移動して座る。


「まずサオ、ここはお前の生きた世界ではない。

あの大きな地震の時、建物は軋み、地は割れ火があたりを燃やしつくした。

サオお前は私と毛玉を逃がそうとした、サオが逃げる前に・・・あの時、もうお前の助かるすべはなかった。

私はあのままサオ、お前を残し、あの世界を離れる事はできなかった。

ゆえに我はこの世界に帰る道を示してくれた神に願い、サオお前をこの地に導いた。」

「そう・・・なの。雪聞いてもいい?」

私はうつむいたまま雪に聞いた。

「ママ・・・ママはどうなった?」

質問しながらも指先が震えてしまい、それを押さえるようにギュット握った。

「サオの母親は建物の倒壊に巻き込まれていた。その握りしめた手の中には携帯があり、その画面はサオの画像が写っていた。片方の指はそのサオの画像に指を伸ばし触れていた。

遺体は建物から出し綺麗に寝かしつけ人の目に触れて、早くに対応してもらえるよえにしてきた」

「そっか、ありがとう。雪がママを出してくれたんだね。誰にも見つけて貰えなかったら可哀想だもんね。」

ママ、ママ、サオを愛してくれてありがとう。

最後一緒にいられなかったけど、ママ、サオは大丈夫だよ。雪達が助けてくれたんだよ。

ママ、愛してる。


サオの頬に流れる涙に毛玉が膝に手をかけ首を伸ばして、そっと舐めた。

「サオ、サオのママさん綺麗なお顔してたの。サオの顔見て笑ってたの」

「そっか・・・毛玉ありがとう」

私は膝の上にいる毛玉をギュット抱き締めてお礼をいった。



「雪、毛玉ありがとう」

大きく深呼吸をし雪と毛玉にお礼を言うと、サオは顔を上げて笑顔を向けた。

「さて、サオ。お前の母の話しを先にしたが、私と毛玉がサオの世界にいた訳も話さなければならぬ。

私はフェンリルという神獣だ。この地を神より預り、魔獸の氾濫や魔力溜まりの浄化等をしておる。

この地はいくつかの大陸に別れており、その大陸ごとに神獸がおる。

我はあの日も魔力溜まりの浄化の為に森の深くに向かっておった。しかし、そこに着く前に強き魔獣どうしの争いの強い気を感じた。しかも片方は魔力溜まりの爆発に巻き込まれたらしく、明らかに闇に喰われておった。


そやつはベア系の魔獣であったが大量の魔力を被った事で巨大化し我を忘れておった。

それと争っておったのが毛玉の親であった。

常であればベア系にもひけはとらぬが、毛玉を庇いながらの戦いは流石に不利であったらしく、大きなケガをおい生きているのが不思議な程であった。


我はこの2匹の間に入り、ベアの浄化をおこなったが、浴びた魔力が凄まじく簡単にはいかなかった。それでもなんとか浄化し終わった所に、もう1匹のベアが現れ毛玉を狙われた。おそらく共にいた所に魔力の爆発に巻き込まれたのであろう、もう1匹も闇に喰われておった。


とっさに毛玉を庇い深手をおったところに、近くでまたもや大きな魔力溜まりの爆発がおき我と毛玉は、その爆風に巻き込まれ、異空間に飛ばされてしまったのだ。

その時に落とされたのがサオの世界であった。

人に見つかるわけにはいかぬと何とか暗き方へと向かい、力尽き倒れた所でサオの母に見つかり、助けられたのだ」

そこまで雪は一息に話すと私が理解しているか確認するように首をかしげた。

「うん雪、ちゃんとわかってるよ。私が良く読んでた物語みたいだね」

そう言うと雪は苦笑いをし話しを続けた。

「その日からあの地震の少し前まで、神は異空間に飛ばされた我と毛玉を探しておられた。やっと歪みを追い我らの元へと道をつないでくださり、帰れるめどがたった頃であったのだ、あの地震があったのは。

そして、先程話した様にサオ、サオを我は共に連れてくる許しを神よりもらいこの地へときたのだ」

「そっかー雪と毛玉の世界か、うん。わかったよ」

そう返事をする私に雪は誉めるようにスリっと頬を寄せた。

「まだ、もう少し聞けるか」と問いかけた。

頷く私を見て、雪は話しを続けた。



「我は2つサオに謝らなければならぬ事がある。

まず1つは、サオは覚えておるだろうか?我がサオに噛みついてしまった日のことを?」

「噛みついた?」

「ケガの為にほぼ意識がなかったとはいえ噛みついてしまった時の事だ」

「ああ、あの消毒薬をかけた時にだね。消毒薬痛いもんねーしょうがないよ」

私の苦笑いしながらの反応に、ばつが悪そうに目をそらす雪。

「コホン。実はあの噛みついた時に我の神獣としての力を注ぎ込んでしまったのだ。その神獣としての力は普通の人の子にはとてつもなく大きく、そのままでは、あまりにも危うい。これからサオはこの神力に近い程の魔力を制御する為の訓練が必要となる」

「訓練?」

「そうだ。まず自分の魔力が自分を傷つけてしまわないように、また発動した魔力が暴走してしまわないように

「サオ、毛玉と一緒に訓練するにゃよ。毛玉は負けないにゃよ」

「そうか毛玉も一緒に練習するんだね。すごい楽しみだね」

今までとは全ての事が違うけれど、全てが楽しみでワクワクが止まらない。


今にも訓練を始めると言い出しそうなサオに雪が待ったをけかける。

「サオ、最後にもう1つ、これも大事な話しがある」

「はい」

「サオ、この世界は魔力と魔獣のいる世界だ。人々は村もあるにはあるが、殆ど街として大きなコミュニティーを作り、街も高い塀に囲われている。それは魔獣から民

を守る為の物だ。

街で生活をしている者もいるが、冒険者として魔獣を狩ったり商隊の護衛などをして生計を立てている者もいる。

幼い子供達等は見習いとして五歳程の幼い頃から冒険者の手伝いや使い走りをして冒険者を目指す者もいる」


「サオ、我はサオをこの世界に導くさいに女の子ではこの世界では生きづらいのではないかと思った。

1つは先程の魔力の大きさの為に幼児としてしか、この世界に連れてこれなかったのだ。幼児としての方が魔力を身の内に閉じ込めやすかったからだ。

だが幼児としてこの世界に来た時に、この世界でも親のいない女の子は生きづらい。

それは、あちらの世界の女の子でも一緒で、男の子よりも身の危険が多い。

女の子でも冒険者をしている者はいる。

だが大人になってから、自分で選び冒険者になった者が殆どだ。

男の子は幼き頃より見習いとして、自分で生きている者が多く、女の子のより自由なのだ。

・・・だからサオ、我はこの世界に来る時に、神にお前を男の子としてこの世界に導いてもらったのだ」


しばし雪との間に沈黙が落ちる。

「うん?」

「男の子にしてもらったのだ」

「・・・そうなの?」

私は一番わかりやすい方法としてパンツのウエストを引っ張り下を覗く。

「ほんとだー」

「サオ」

雪は器用に肉球の付いた手を額にあてた

そして、少し気遣わしげに私を見た。


「雪、大丈夫だよ。私の事を思ってしてくれた事でしょう?

女の子だと、きっとこの歳では見習いにはなれなくて孤児院とかに入れられるんじゃないかな。

せっかく外にでれたのにまた閉じこもるのはイヤだよ」


「そうか」

ちょっと空気が重くなったように感じて明るく雪に話しかける。

「わた、僕、男の子になったならお名前も少しだけ変えてみよう。せっかくこの世界にもきたんだし

・・・今まではサオ、沙緒だったから~~~あっ、ヒオにする陽謳、お日様と謳うんだ。

どうステキじゃない?」

「そうだな。ヒオ、陽謳か、良い名だ」


これから僕はヒオとして生きていく。


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