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街についた

僕らはテントをギフトボックスに入れると街に向かって歩きだした。


そして昼過ぎには街にたどり着いた。

前の街に比べると一周り程小さいが街の人は明るく、活気もあった。

山間の街であるので砦も頑丈で高く、入り口も夜にはきっちりと閉まり、砦の上から見張りが立つらしい。

ただ前に比べると火櫓の数を増やしているらしい。


やはりオークの被害が街に報告されているのだろう。


「雪、僕はギルドに先に向かいたい」

「あぁかまわぬ」

アレスは少しでも早く遺品を遺族に届けたいと望んでいた。

行方がわからずに悲しんでいる家族の為に。


この街チュダイのギルドは木で建てられた2階建ての建物だった。

中に入るともう昼前ということもありあまり冒険者はいないが小さな子達が手に袋を持ち並んでいる。

薬草を摘み戻ってきたのだ。


僕達はその後方に並び順番を待つ。

「次の方」

少し神経質そうな若い男の人が受付にはいた。

「要件は?」

僕達が何も手にしていないのをみて訝しそうに尋ねる。

「すなまいが、ここのギルドマスターに面会をしたい」

アレスがそう伝えるとその受付の人は、さらに不信そうになり眉を潜めた。

「要件をどうぞ」

「報告したい事がある」

アレスは端的にもう一度そう言うと、胸元から王家の者だけが持つ紋章が刻まれた短剣をだした。

その短剣を確認した彼は目を見張ると、すっと立ち上がり頭を下げた。


「失礼をいたしました。申し訳ありませんが、呼んで参りますので、このままお待ち頂けますか?」

「ああ、構わない」


暫くすると奥から慌てた様子の細身の男性が出てきた。

「お待たせしまし・・・」

最後まで言わせずにアレスが声をかける


「報告したい事がある。何処かに場所を設けて欲しい」

男性は何かを察したように頷き奥の個室に僕らを案内してくれた。


「殿下、失礼をいたしました。旅の話しは聞いて降りました。フェンリル様ようこそおいでくださいました。」

きっちりと頭を下げるギルドマスター


僕達は通された部屋でソファーにかけた。

雪はソファー横に身体を横たえ、毛玉はいつもはアレスの上に座るが今日は僕の横に丸まった。


「ギルドマスター、私達はここにくる前にオークの溜まりを発見した」

「はい。実はオークの被害の報告がこの頃多数上がっており討伐の為のパーティーをくんでいるところです」


「いや、オークの溜まりはフェンリル様のお力をお借りして討伐してきた。」

「なっなんと」

ギルドマスターがテーブルに手を付いて立ち上がりながら大きな声を出し、僕と毛玉は飛び上がってしまう。

「おっ、おう失礼しました」

ギルドマスターが少しよろけながらソファーに座る


「そこでギルドマスター、すまないがギルドマスターに辛い仕事をお願いしたい」

「はい?」

アレスは足元に置いていたバッグを取り上げて膝の上におくとテーブルに胸元から綺麗な布を出し広げ、中の物を出し始めた。

それを見て、ギルドマスターの表情が厳しい物に変わった。

「殿下、これは・・・遺品を集めて下さいましたのか?」

深く頭を下げながら溜め息まじりの声を出す。

「ああ、残念な事に生きているものはいなかったが、できうる限りの物は3人で集めてきた。ただ、まだもしかしたら有るのかもしれない。

すまないが、オークの溜まりに人を派遣して、残りの始末と遺品の確認もして欲しい。フェンリル様が焼いてくれるとおっしゃったのだが遺品があるとも思い、そのままにしてある。ただ他の魔物が集まるといけないので凍らせてもらい、場もシールドをかけて貰ってある。溜まりに残っているオークは好きにしても構わないそうだ。溜まり入るにはフェンリル様の魔力か必要だそうだが、一度一緒に溜まりにご案内下さるそうだ」

「なんと。それは助かります。すぐにパーティーを組みます。暫くお待ち頂いても?」

「かまわない」


ギルドマスターは慌てて部屋を出ていき、暫くすると戻ってきた。

「明日になりますが、パーティーを組みます。よろしくお願いします」

その言葉に雪が頷いた。

それを確認しギルドマスターはアレスの出した遺品に目を落とした。

「こんなに多くの犠牲者が・・・不甲斐ない」

そんな小さな言葉と共にギルドマスターは胸に手をあてた。

まるで自分を責めるように押し黙り、胸に手を合わせるギルドマスターにラクストが声をかけた。


「俺達の見つけたオーク溜まりは街道の近くではあったが、それでもフェンリル様がいたからこそ、こんなに早くに見つける事ができた。そしてフェンリル様がいたからこそ、討伐できた。

おそらくだが、こちらに向かっていた旅人の犠牲者が多かったのだろう。だからこそ、気づくのが遅れたのだろうし、それにオークキングがいた事もあり、他の溜まりよりも被害に繋がった」

「なんとオークキングまで」

そのラクストの言葉でもギルドマスターの表情は沈んだままだ。

もう一度ギュッと目を閉じ頭を下げるとギルマスは顔を上げた。

「ありがとうございます。この遺品は私の方でできうる限り遺族の元に返します。それでもわからない物は私が責任を持って弔います」

「ギルマス、一つだけ私からお願いがあるのですが、もし許されるならば必要な費用をちゃんと取った上で残ったら遺族に・・・」

「ありがとうございます。そう言って頂けますと助かります。必ず私が責任を持って」

「よろしくお願いします」

アレスもやっと安心したように身体の力をぬいた。


この後僕達はギルマスの紹介で宿も決まり、街に数日滞在する事になりました。


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