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オーク討伐2

アレスとラクストの2人は雪とは別行動でオークの溜まりに近づいていった。

木陰に隠れてそっと溜まりを窺う。

そこには100を越えるオーク。

立ってこん棒を振り回している者や、座り込み何かを貪り食っている者、だらりと地面に横たわり寝ている者と

かなりの数のオークがいる。

貪り食っている者などはその形相や周りに散らばる骨等、おぞましいとしか言えないようなありさまだった。


「街の近くにこれ程のオークの溜まりがあるなんてな」

「そうですね。これはこのままでは被害の拡大しか先はありませんね」

2人はこの溜まりの討伐方法について暫し考える。

「アレス、まずはこいつらを分散させる為に誘導したい」

「はい」

「お前のファイヤーボールはどのくらい飛ぶ?」

「そうですね、だいたい100メル程だと思う」

「100か・・・アレスここから右に50程の所に大岩があってそこに木が立っている所が見えるか?」

「はい」

「あそこから雪の向かった方を除いて三方に上空に向けたファイヤーボールを打って幾つか火を放てるか?」

「やります」

そのアレスの返事にラクストがにやりと笑った。

「よし、後はその場の勢いだ」

アレスは苦笑いし

「その場の勢い?」

とラクストに問い返す。

「あぁ、そんなもん勢いだ。だがなるべく早めに俺と合流しろよ。見える所にいないと助けてやれないからな」

「わかりまし…わかった。ラクストは右に斬り込みながら入ってくる?」

アレスが言葉使いわ変えた事にラクストはまたもニヤリと笑い

「あぁ、めっちゃ倒しながら来るからな。お前も頑張って倒してこいよ」

「わかった」

お互い拳を突きだし合わせるとアレスは右の大岩に向かって移動を始めた。



ラクストに言われた大岩の木の根元につくとアレスは幾つかのターゲットを定めて上空に向かってファイヤーボールを打った。

なるべくオークの視線が色々な所に向くように分散して火を放つ。

アレスの思惑どおりに炎の上がる場所にオークが集まって行く。何ヵ所かに火の手が上がっている為にオークが右往左往しだす。そこにラクストが正面きって斬り込んできて、なお一層の混乱が溜まりにおこる。


そのラクストの剣技は凄まじく一瞬アレスが見とれる程

「凄いラクスト・・・よし僕も負けない。行くぞ」

アレスも大岩の上から飛び降り、真下にいたオークを切り裂きながらラクストの方へ向かって走った。


「良くやった」

ラクストが大きく笑いながら声をかけ、前方に立ち塞がったオークを斬り倒す。

その後ろに付くようにしてアレスも並びオークを倒していく。

これだけの騒ぎになってもキングが出てこないと言うことは雪の方も上手くやっているのだろう。



かなりの数のオークを倒してきたが、それでも奥の方からバラバラとオークがまだ出てくる。

「やっぱり100じゃきかないな。アレス大丈夫か?」

「なんとか」

そうは答えたがアレスはかなり息も切れてきていて、握力も落ちてきていた

「アレス、俺が少し隙を作るからアイテムボックスから新しい剣をだしてポーションも飲め」

「新しい剣?」

「そうだ、こいつらを斬り続けていると油で切れなくなってくるんだ。だから新しい剣と途中で変えるんだ」



アレスはラクストに言われた通り剣を変え、ポーションをのんだ。

「ラクスト代わる。僕が隙を作る」

「お?」

「大丈夫」

「わかった」

僕はラクストの前に立ち向かってくるオークに向かって魔法を放つ。

「ファイヤーボール爆散!」


「なんだそれ。凄いな」

「これもヒオに教わったんだ。練習してて良かった。」

ファイヤーボール爆散はいわゆる花火だ。

これでファイヤーボールよりも爆発力というか、広がる力を増したのだ。


この間にラクストも剣を変えポーションを飲んだ。


「さて、もうひと踏ん張りするか」

「はい」

ここからまた向かってくるオークをラクストとともにアレスも倒していく。

だが、流石にラクスト程は体力も技もたっしていないアレスはそろそろ限界に近づいてきていた。


足を滑らせ膝をつく。

オークが上からこん棒を振り下ろしてくるのを、なんとか剣でしのぐ。

たが立ち上がれない。

「アレス」

ラクストがアレスに覆い被さろうとしていたオークを斬り倒し、蹴ってどかす。

「大丈夫か?」

「なんとか」

そう答えたものの、もう限界は見えていた。



そこに咆哮が響き渡った。

それは神獣の咆哮。その威力は凄まじく動きの鈍るもの、オークによっては動けなくなるものまでいた。

「すげーフェンリル様の咆哮は凄まじいな」

「雪様」

奥の方から雪が本来の姿まで大きくなり空を駆けてくる。

「2人とも良く頑張ったな。暫し休め」

雪がそう言うと2人の周りを白銀の幕が包んだ。

それは不透明の白銀の幕、シールドだった。

音は微かに聞こえている。音まではわざと消さなかったのだろう。

触ってみたが弾力のある幕で同じ力で押し返された。

雪が出れなくしているようだ。


それからそれほど待つ事もなくシールドは解かれた。

もうそこには死屍累々のオーク。

終わったのだ。

アレスは体の力の抜けるような気分を味わっていた。


「さて、オークの溜まりはこれで壊滅した。残念な事にやはり犠牲になったものもいたようだ。オークを回収がてら犠牲者の遺品も集めていこう。アレスお前には、まだきついのではないか?」

雪はそういってくれたが

「いいえ、フェンリル様。犠牲者はこの国の民です。私達の民なんです」

「そうか・・・では・・・アレスよ、まずオーク達の剣や防具は人から奪ったものだろう。そのへんの物から回収していってくれ。ラクストはすまぬが、小屋の中を見てくれ。タグやその他の装飾品が遺品となるものもあろう」

雪はそう指示を出すとオークの回収を始めた。

アレスは雪に言われたとおりにオークのまわりから剣や落ちている小物を拾っていく。


ある程度の回収を済ませると、雪と2人は沢山の血の流れたその場にクリーンの魔法をかけ、雪のシールドによってこれ以上魔物が入りこまないようにした。

ここは街に行き、ギルドに報告をして、もう一度徹底して探索をしてもらうのだ。

犠牲者の遺品の回収の為に。

そしてこの場は神官達により清められ鎮魂の祈りを捧げられる。

犠牲者達の為に。



「雪様、ありがとうございます。これで犠牲になった者達も救われるでしょう」

「この街道はあちらの道に比べるとやはり人通りが少ない。ゆえにオークの溜まりの発見が遅れたのであろう」

「はい」

「まぁ、これで済んで良かったと思おう。街にオークがなだれ込んでいたら犠牲はこんなものでは済まないからな」

「はい」

そう、これで済んで良かったのだ。今は犠牲になった者達に胸が痛むが、それでも弔ってやれたのだから。

アレスは犠牲になった者達に、もう一度祈りを捧げて深く頭を下げた。



そんなアレスを雪とラクストは見守るように見つめ、祈りが終わるまで待った。


「さぁ、ではヒオの所に帰ろう。心配しているだろうからな」

雪の言葉とともにラクストとアレスもヒオのもとへと踵をかえした。


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