野営
林を抜けて開けた草原の大木の下に僕達は野営のテントを張る事にした。
僕の初めての野営だ。
雪の森でのあれも、もしかしたら野営みたいな物かもしれないけど、旅を始めてからテントを張っての野営、楽しみでしかない。
「ラクストまず何するの?」
「ん?まずはテントを張る場所のチェックからだぞ。この木の下にテントを張ることにしたけど、この木に何か魔物や魔獣がいたらヤバイだろう?たからさっきのソナーをかけてこの木に何も問題がないか調べる」
「わかった」
さっきのソナーをこの木にかける。
よし、じゃあ木の上の方から下に向けて調べて・・・っと。
「ラクスト、この木の上~の方に大きな鳥さんが巣を作ってるよ、後はね小さい鳥さんと蛇さん、ランクの高いのは上の大きな鳥さんぐらいだよ」
「・・・そっか。その大きい鳥さんは俺達の事気にしてるかな?」
「わかんない。でも動いてないよ」
「じゃあ大丈夫だな。よし、じゃあテントを張ろう」
そう言うとマジックバッグからテントを出して準備を始める。
アレスも手伝いながらどんどん設置していき、10分もすると大きなテントが出来上がった。
それはテントと言うには本当に大きくて前の僕のお家の一部屋ぐらい。
地面がゴツゴツしないように雪が土魔法を使ってくれて平らにしたの。
次は僕も手伝いたいって伝えるとわかったってスリッと頭を寄せてくれた。
それからテントの周りに結界石を置いていき、テントにも先日買った魔物、魔獣よけの魔道具をつけて出来上がり。
それから外に火を焚くための炉を作って、お鍋を置いて
水魔法で水を入れ食事の準備を始めた。
その間、僕はテントの中。
毛玉と雪は少しこの近辺の見回りとついでに狩りをしてくると言って出かけていった。
なぜ、僕もいかなかったかと言うと、眠気に勝てなくて・・・
子供の身体ってすぐに眠くなる。
テントを張り始めた時には一緒にやっていたのに、アレスが火を焚くために薪を集めたり、ラクストが結界石の少し外を見回ったりしている時に座っていたら、頭が揺れ始めて、アレスにテントの中のクッションの上に寝かされると、あっというまに寝てしまった。
どのぐらい寝ていたのか、ラクストが僕に気遣いながらそっと外に出ていく姿が見えた。
そのラクストは身体がとても大きいのでテントの中では少し窮屈そうに感じる。
天井に届いているわけではないけれど。
そして、テントなので勿論風の影響は受ける、少しバタバタと音がする。
それをなんとはなく考えていてもう少し天井が高くならないかなって手を伸ばして、高く高くってイメージする。
ん?なんか少し天井高くなったような。
じゃあ、もうちよっとちゃんとしたお部屋のように壁を固くして・・・
僕はそっと起き上がって壁を触りに行ってみた。
あっ凄い、壁固くなってる。
これ楽しい。
僕は楽しくなってしまい、じゃあこのテントに別の空間をくっつけられないか試してみたくなった。
「あっ、そうたトイレだ。トイレがこのテントの中にあったら便利だよね」
僕はテントの一番奥の一角に行き扉をイメージして壁に触ってみる。
すると、そこに扉のついた壁が出来上がった。
そっと開けてみると唯の白い空間がある僕は目を閉じて前の世界のトイレをイメージし、それよりも少し大きいお部屋を作った。
「できた」
「楽しい」
そこからの僕はそのトイレの部屋に入り、壁に棚を作ったり、ベーパーホルダーを作ったりと作業を満足するまで続けた。
部屋の照明は僕の光の魔法を使って、入ると点くようにしてみた。
そして壁は薄緑色に棚は木の色に。
棚には僕がさっき拾ってきた大好きな石を置いてみた。
それに満足するとトイレを囲ってもう1つ部屋を作った。その空間は隣の大きい部屋より大きくてトイレ付きの部屋を作ったのだ。
そして土魔法で取り敢えずベッドを作り、野営用に買ってあった寝袋と毛布を出して置いておく。
もちろん、雪と毛玉のクッションも出してあるよ。
この部屋にも棚を作り、そしてウォークインクローゼットも作ってみた。
ちゃんと洋服が掛けられるようにもしたよ。
このできに満足した僕はこの部屋から出るとテント入り口から入って右側の壁の真ん中に扉をつくった。
後はさっき一度作ったのでイメージするだけ。
扉から中に入るとさっき部屋と同じ部屋が出来上がっていた。
僕はその部屋を先程の部屋よりも2周り程大きくした。
トイレも全てね。
そこが出来上がるとまた部屋を出て、反対側の左側の壁にも扉を作り部屋を作る。
大きさは今の部屋と一緒。
そこまで終わった僕は流石に疲れてきたのか、また眠気に襲われてきて、元のクッションまで行って寝てしまった。
次に僕が目が覚めたのは
ご飯の準備が出来上がり雪や毛玉も帰ってきた時。
「いただきまーす」
今日のご飯はさっき見回りの時にラクストか狩ってきたホーンラビットウサギの魔獣だ。
なんとラクストが塩胡椒して直火で串焼きにしてくれたの。
香ばしくて柔らかくてジューシーでとても美味しい
アレスも皿にとる事なく直にかぶり付いて食べていた。
雪と毛玉も同じ物を食べる。
「すごーいラクスト美味しいね」
「うまいだろう。コンロとかを使わなくてもうまいもんが作れるんだぞ。これが一般的に料理をする方の冒険者の食事だ」
「そうなの?」
「ああ、まぁコンロまで準備して食事を作る事はあまりないな。前にも言ったが、キャラバンては料理するぞ」
「そうたったね。でも僕、お料理頑張るからね」
僕はそうラクストに宣言する。
「まぁ、怪我しないようにしろよ」
「うん」
僕はお肉を頬張りながら返事をし
「アレスにも僕がご飯作ってあげるからね」
「ありがとう。でもラクストが言ったように怪我はしないようにね」
「はーい」
アレスの優しい笑顔に僕も笑顔で返事をした。
食事が終わった僕達は暫くアレスの準備してくれた暖かいお茶(僕のは少しぬるめだけど)を飲みながら火を囲んでまったりした後に、テントに戻り眠る事にした。
雪がいるので他の魔獣とかがきても大丈夫らしいし、近寄ってもこないらしいけれど、一応アレスとラクスト、雪が交代で夜に見張りをするらしい。
そして最初の1人はアレスからとなり、僕とラクストと雪はテントに向かい毛玉はアレスと見張りに残った。
「アレス、毛玉、おやすみなさい」
「ヒオ、おやすみ」
「おやすみにゃ、安心して眠るにゃ」
「うん、ありがとうね」
僕はラクストに抱っこされてテントに入った。
でもすぐに眠る事はてきなかった。




