冒険再開
翌日は冒険者ギルドに行き昨日のベアーとドラゴンのお金を貰ってきたんだって。
だってって言うのは僕や毛玉は行かなかったから。
雪も行かなかった。
雪は金額とかを誤魔化すようなギルマスではないだろうと後はラクストに任せるって、今日は1日宿でゆっくりするって言ってゴロゴロしてた。
ラクストは冒険者ギルドで金額の確認をするとそのまま昨日と同じように預けてきたらしい。
あっ、そうそう、この冒険者ギルドのお金は青い雲のパーティー名で預けてあるんだって、雪がヒオの分は薬師ギルドのお金で当分は大丈夫だからって、パーティーで必要なお金はそこから使えばいいって、さすが雪。
そして、ちゃんとお肉も受け取ってきてました。
その日の夜にお宿の女将さんに明日、また旅に出る事を伝えてたくさんのお肉の1部をお礼代わりに渡して、夜はお宿の人達と一緒に焼き肉パーティーしました。
そのお味は今までのお肉の何倍も美味しかった。
僕の知ってる牛肉よりも歯ごたえがあって、でも臭みとか全然なくて、甘くて、残念なのは焼き肉のたれ、塩やスパイスしかなくて、僕は甘辛い焼き肉のたれが本気で欲しくなった。
いつか食べれるかな?
翌朝お空は僕らのパーティー名のように真っ青の空にその青が映るような真っ白の雲が浮かぶ最高の天気。
街のゲートをくぐり、また僕達は冒険の旅に出る。
「さぁヒオ、今日からまた冒険だぞ」
「うん、ラクスト僕、凄い楽しみだよ」
僕は今日もラクストの肩の上。
本当は歩きたかったのだけど、足の長さが足りないのと、すぐに寄り道してしまって先に進まないからって。
ラクストひどい。
それでも僕はちゃんとラクストに主張する事はする。
「ラクスト、それっその石とって」
「はあ?どれだよ」
「それっ」
「これか?・・・ただの石だろう?」
ラクストが足で僕の欲しい石をツンツン転がしながら
僕を見る。
「だーめ。ラクストちゃんと拾って」
「わかった、わかった」
ラクストが苦笑いしながらも僕を肩にのせたまま器用に石を拾ってくれた。
僕の欲しかった石は濁った色ではあるけど乳白色のいろの中に透明な部分がある石。
この透明な部分を光にかざしてキラキラするのが好き。
「ほら、ラクスト綺麗だよ」
「そうだな」
「ラクスト心がこもってない!」
「はいはい、綺麗、綺麗」
「うー」
ラクストに適当にあしらわれても、いいんだ僕には綺麗だもん。
「あっ、待ってラクストその石」
「石だなー、もっと凄い石を見つけてそれを集めようぜヒオ。ちゃんと石の取れる所聞いてやるから」
「それも欲しいけど、この道に落ちてる石も欲しいの」
「そんな事言ってたら持ち物全て石になっちまうぞ。
ほら雪もアレスも待ってる」
確かに少し先にアレス達が立ち止まって待ってくれている。
「・・・わかった」
でも欲しい。
ラクストが雪達の元に向かう途中にも急にキラッと光ったりする石がある。
どうにかして取れないか、一生懸命に考える。
一番は自分で歩いて拾うのがいいけど、歩かせてもらえないし、拾ってって言っても全ては拾って貰えないし。
んーどうしよう。
あっそうだ、魔法はどうだろう?
魔法で拾えるようになれば、ラクストの肩の上でも雪の背中の上でも、遠い所の石でも拾えるのでは?
魔法で取れるかやってみる?
でも何の魔法を使っていいのかわからないな・・・
昔、タブレットで読んだ本に異世界の話しがあって、魔法はイメージって言ってたのがあったけれど・・・
イメージ、イメージ、石が飛んでくるイメージでいいのかな?
よし、じゃあ1度小さいあの石でやってみようかな。
僕は少し先にある小さい石に意識を向けて飛んでくるイメージをする。
・・・ダメだ、飛んでこない。
もっといっぱい考えて・・・
飛んでこい、飛んでこい・・・
あっ、少し動いたような気がする
飛んでこい、飛んでこい。
うーん来ない。
もっと何かイメージ・・・
あっそうだ磁石はどうだろう?
強い強い磁石で欲しいものを手元に引き寄せるイメージで、よし、やってみよう。
ここに来い。
「いてっ、何だ?」
あっラクストに当たっちゃった。
ラクストは少しキョロキョロしたけど首を傾げてそのまま歩みを進める。
僕も素知らぬ顔で何も言わすに、次の石を探す。
暫く歩くと先に小ぶりだけれど縞模様が見える石が転がっている。
よし、あれにしよう。
さっきのイメージでさらに今度はもっと上に、僕の方に、
よし、来い。
今度、僕はその石に手を伸ばして念じる。
すると石がグラッと動き、僕に向かって飛んだように見えた。
パシッと音がしラクストが何かをキャッチした
「何だ?石?」
凄いラクスト、構えてなかったのに飛んできた石をキャッチした。
そして石を繁々と見た後に僕にジロリと視線をくれる。
「ヒオ。何をした」
「えっ」
「これは石だな」
「うん」
「石って事はヒオ、お前だな。何をした」
「えっと、僕はラクストの肩の上だから自分では取れないなって思って」
「思って?」
「じゃあ魔法で取れないかなって・・・」
「あぁ魔法でなって!そんか事できるのかよ」
「・・・できた」
「できたって・・・雪」
ラクストが額に手をあてながら雪に話をふる。
「・・・我にもわからぬな。我も対象物が飛んでくるような魔法を使った事はない」
そう言って雪も首をふる。
そんの雪に僕は身を乗り出して話しかけた。
「雪、雪は覚えてない?前にタブレットで大きな磁石がでてきて小さな金具がビュッと飛んでくっついたの」
「あぁ、そんな物があったな」
「それをイメージしてみたの」
「・・・なる程な」
雪は、なる程なと言いながらも首をふる。
「ラクスト、ヒオはイメージする力が強いというか、我らの世界では知り得ぬ情報をかなり知っている。それゆえに我らからしたら突拍子もない魔法を作っていくやも知れぬ。それゆえにアレス、ラクスト2人ともにヒオのやる事、やらかす事に気を付けて欲しい」
「僕達の知らない情報ですか・・・確かに磁石という物は僕も知りませんね」
「ヒオだからな」
ラクストがため息をつきながら僕のほっぺたをグニグニする。
そのヒオだからなの言葉はなんとなく納得出来ないんだけど。
それでもいいや、石取れたもんね。




