屋台飯?
魔道具の街メニックに就きました。
お宿も決まって部屋にやってきました。僕とラクストは一緒、アレスは1人部屋です。
僕達のお部屋には大きなベッドが2つ、開放型の窓が前面にあり従魔がお外に出れるようになってる。
下は雨が降ってもぬかるむ事がないように芝のような物が敷き詰められていて、そのどこでトイレをしても、ちゃんと魔道具が反応して綺麗にしてくれるんだって。
凄いね魔道具。
毛玉と一緒に外に出て見たけど、どこもとても綺麗で毛玉に聞いても嫌な所はないって。
動物は匂いに敏感なのに気にならないって事は本当に綺麗なんだと思う。
「ラクスト凄いねーここのお庭とっても綺麗よ」
「ああ、金額的には少し高くなるが、それだけ従魔にとっても俺達にとっても過ごしやすい部屋だろ。安全の面でも下手に安い宿に泊まるよりは全然いい」
「それでもここは、かなり良心的な宿なんだ。アレスの事を考えたら、もう少し高くても良かったんだが、まぁ、そんな所に泊まるのは、これから嫌でも出てくるだろうからな」
「そうなの?」
「ここは、まだ隣街だし、ここの領主様には王都で挨拶を済ませてきたからな」
そう、最初からこの街には寄る予定だったからギルマスと一緒に時間を割いて挨拶にいったんだって。
だからこの街ではお呼ばれするような事はないんだって。
お庭でそんな話しをしていると、部屋の扉がノックされアレスがやってきた。
装備を解き、剣だけを付けた軽装になっている。
「ああ、ここの部屋はいいね、外もとても綺麗だ」
「ねー」
僕ももう一度、外を見ながらお話し。
毛玉もとても気に入った様子で寝転がりゴロゴロとしている。
「さてと、いつまでも部屋で寛いでいてもしょうがないし、今日は外で飯を食おうか」
「ご飯?買い物にはいかないの?」
「ああ、暫くこの街にいる事になったから、買い物は今度でもいいだろう。だから今日はこのまま、もう飯を食べに行こう」
お外でご飯、もう僕と毛玉の瞳はキラキラです。
玄関に向かって僕と毛玉が駆け出します。
「アレスもそれでいいか?」
「もちろん。かまいません、僕も楽しみです」
2人は僕達の後を歩いて来ます。
待ちきれない僕と毛玉は足踏みをしてそんな2人を急かしてバタバタとしてました。
「ヒオ、ここの街はなドワーフが多いだろう?」
「うん」
「だからな屋台とかみたいに尻を据えて飲み食い出来ない店よりも、ガッツリと飲める酒屋が多い。だけどこの街は旅人や商人も沢山やってくるから、その酒屋の前面の一角に屋台の様に店先で食べ物が買えるようにもなってて、夜だけ道に簡易のテーブルや椅子が置かれて、食事を楽しめるようにもなってるんだ」
「屋台ないの?」
「屋台はないけど、屋台とかわらないんだよ。テーブルとか椅子があるだけ屋台だけの所よりもいいよ」
「そうなの?」
「皆で好きな所で買ってきて持ち寄って椅子にかけて食べる事ができるだろう?歩きながら食べるのもいいけど、ゆっくり食べる事ができるよ。ヒオもまだ小さいし毛玉もいるからね」
「そっか」
僕はアレスの腕の中の毛玉を見る。
毛玉は顔を上げ、鼻をヒクヒクとひくつかせて匂いの元を追って今にもアレスの腕から飛び出しそうになっている。
僕も美味しそうな匂いがするお店に口の中に唾がたまってくる。
「ラクストは屋台でいいの?」
「ん?ああ、今日は雪がいないからな、まぁ少しは飲むがな」
「そっか、じゃあ早く買いに行こう」
まず最初に向かったのはジュージューと香ばしい匂いと音がしているお肉のお店。
お肉は大きくて僕の拳よりも大きい。
それが3つも串に刺さってる
味は香辛料をかけながら焼いていてスパイシーな匂いがしている。
この世界にも醤油みたいな物はあった。
この前、王都で食料品を買っている時にみつけて(あまり需要がないのか店の奥で埃を被っていた)ラクストにお願いしてあるだけ買ってもらった。
ラクストもあまり使った事がないのか、不思議そうに見ながら買ってくれた。
このお店で僕は一本、毛玉とアレスは2本、ラクストは4本も買ってた。
次のお店はスープで、沢山のお野菜がトマトによく似たお野菜の水分だけで煮てあって、お野菜の旨味がたっぷりと出た濃厚なスープを、ラクストは同じお店でそのスープをベースに焼いたお肉の入ったスープ、アレスはトマトのスープに水を加えて、もう少しあっさりとしたスープを購入。
毛玉はラクストと同じのお肉が入ったスープにしていた。
後は何種類かのお野菜を素揚げにしてスパイスがかけてある皿に二人前入れてもらってテーブルについた。
「いただきます」
お肉の刺さった串、片手では持てなくて両手に持ちかぶりつく
お肉は牛肉のような味がするが、臭みが僕にはちょっと強いかな?
せっかくスパイスが使ってあるのに、匂いを消す方には使ってないみたいだ。
でも僕以外の2人と1匹は美味しそうに食べているね。
これぐらいは普通なのかも
スープはお野菜の旨味が凄いでていて、一緒に煮込んである芋もとろけるように柔らかくて、身体に染み渡る味だ。
「ヒオ、美味しいかい?」
「うん、スープ美味しい、お肉も美味しいけど少し臭い」
「臭い?獣臭いってこと?」
「うん、少しだけ」
「俺はあんまり気にならないけどな」
ラクストが口一杯に肉を頬張りながら言う。
スープもがつがつ食べていて、お肉の串ももう後1本しかない。
僕は大きいお肉が1個とスープで結構満腹。
お野菜の素揚げもちょっとだけ食べたけど、もうお肉はいらない感じって思っていると、ラクストが手を伸ばしてきて僕のお肉を持っていった。
「はぁー美味しかったー」
毛玉も満足そうに毛繕いして、気がすむとアレスの横に丸くなった。
僕達のテーブルの周りにも沢山の人がいて、皆それぞれに食べ物を持ち寄って食べている。
お酒も入っているので皆、ワイワイ、ガヤガヤと楽しそうだ。
大きな声で笑って食べて。凄い楽しそう。
たまに僕の様に小さい子供がいて皆と共に笑ってる。彼らは見習い冒険者の子もいて、一緒にいる大人の所で冒険者になる為に頑張ってるんだって。
「どうした?」
「結構小さい子もいるんだなーって思って」
「ああ、親と一緒に冒険者になる子もいるけど、孤児で見習いになってる子も結構いるんだ」
「僕と一緒だね」
「そうだな。皆、楽しそうだよな。ヒオも楽しいか?」
「うん、楽しい」
そう言うとラクストの大かな手が僕の頭をぐしゃりとなでた。
「にゃあ」
「毛玉も楽しいって、僕もヒオやラクストと旅に出れてとても楽しみだよ」
アレスがニッコリしながらそう言って、サラリと頭を撫でてくれた。
ラクストも食べ終わったのでテーブルを離れる。
他のお店も見てみたくて、ラクストの肩に載せてもらって見て回った。
「ラクスト、あれ何?」
「ああ、あれは果物を棒にさして、周りに色つきの砂糖を付けたお菓子だな」
「美味しい?」
「さぁな、俺は食べた事ないからな」
「ないの?」
「甘そうだろ」
「うん」
確かに周りには男の人はあまりいなくて女の人と子供が多い。
「食べるか?」
「うーん・・・」
なんとなく迷って周りをキョロキョロする。
すると少し先の方に何か甘くて香ばしい匂いのしている所があった。
「ラクスト、あそこ。あそこに行って」
「ああ」
お店の前まできてみると、そこには栗によく似た果物が串に挿して焼かれていた。
ただ、大きい。そうとても大きい。
どれくらいかって?僕の開いた手のひら程。
「ラクスト、あれ買って」
「食べたいのか?アレスはいるか?」
「あっ、はい。じゃあ僕も1つ」
「毛玉は?」
「いるにゃ」
僕達は栗に似た果物、マログの串焼きを買って宿に帰った。
マログは栗と同じ味がした。ただとても大きいので、半分も食べられなくて、後はラクストが食べてくれた。




