ラクストま2
一晩考えギルマスの所に向かった俺は決心をギルマスに伝えた。
「ギルマス、俺は暫くの間、2人のパーティーについていこうと思う」
「なんだ。情でも移ったか?」
「ああ、まぁな。あいつら危なっかしすぎるんだよ」
「ふん、そうだろうな」
ギルマスが頭をガシガシかきなが苦笑いをする
「俺もその方が心配が減っていいよ。わかった、ちょっと待ってろ、ちょっと聞いてみる」
ギルマスはそう言うと席を外した
暫くすると戻ってきたが、ギルマスも少し不思議そうな顔で
「先方が少し俺達に話があるんだと。暫くここで待ってて欲しいってよ」
「先方?」
「ああ、あの2人は国から頼まれたんだよ」
「国から?」
「ああ、たが俺もそれ以上はまだ言えない。」
「ふーん」
俺は首をかしげながら相手が現れるのを待った。
暫くするとギルドの前に一台の馬車が着いて中からフードを被った男性が降りてきた。
お付きの者かギルマスに気が付き、フードの男性を伴い歩いてきた。
「突然にすまない。ギルドマスターとそこの冒険者に話がある」
徐にそうきりだした。
俺とギルマスは部屋を移り、内密の話しも出来る部屋に入った。
「突然にすまない。私はこの国の宰相を務めているラウスという
「なに?」
俺は驚きに声を失くす。
そしてここから俺の冷や汗は止まらなくなるのである。
「ラウス様、このような場所まで、いったいどのようなご用件で・・・」
「ふむ、先日お願いしていた冒険者と見習いについてです」
フードをとりソファーにかけてラウスは話し始める。
「あの冒険者はこの国の第一王子のアレスイヤ様です」
「!」
「そこから話したのでは意味がわかりませんね。
順を追って話しましょう。
まず、あの冒険者と共にいた白い狼、あの方はフェンリル様です」
「フェンリル」
「そうです。先日この地に、城へおいでなさいました。その時に連れていたのがヒオ様です。フェンリル様によりますとフェンリル様の命の恩人であると。
最初は人に預ける事もお考えになられた様ですが、ヒオ様の強い希望により共に旅に出られる決心をされたそうです。そこでヒオ様の旅の準備の為、この地に降りられたのです。
自分の養い子であるヒオ様を王に会わせ、万が一トラブル等あられた時に助力をと言われまして。人の丗の事であればフェンリル様といえども力を借りねばならぬ事もあるやもしれぬと・・・」
「なるほど」
「その話しを聞いておられた王は、それでは伴に王子を連れての旅にしてはと、見習い程の小さき子供が狼と猫だけで旅をするのは不自然であろうと申されまして」
「たしかに」
「王自信もご自身が破天荒であられた為、若き頃に経験された事が己の身につき、考えを広げる役にたったとお考えで、王子にもその経験をとお考えです」
ここまで話し、宰相様は前に出されたお茶を飲まれて一息つかれた。
俺達もそれにつられるように無意識に手を伸ばしお茶に口をつけ、混乱している頭を静めようとした。
まぁ無理な話しだが・・・
宰相様は溜め息をつきつつ言った。
「私共もお止めしたのですよ。余りにも突然過ぎるし、危険過ぎますと。ですが王はそれも経験だと仰られまして。ヒオ様につきましても、もう少し大きくなられてからでも良いのではないかと。しかし、それにはヒオ様が嫌がられましてな」
「今まで1つ所に留まっている事しか出来なかったので、これからは旅に出て空と風と雲を追いかけるような生活がしたいのだと。風の匂いを感じながらフェンリル様達と共にありたいのだと強く望まれました。フェンリル様もその言葉に同意され、ヒオ様にはこれから自由に生きて欲しいと」
「そうですか」
1つ所に留まる?やはりどこかに捕まっていたのか?
でも怯えはない。
やはり良くわからないな。
「そこの冒険者殿」
「はい。どうぞラクストと」
「おお、ラクスト。そなたがあの2人に付いていってくれるとか。階級を聞いてもよいか?」
「はい。B級冒険者です」
「おお、それならば大丈夫だな。王にもそのように伝えよう。あの2人の事、そしてフェンリル様、毛玉様の事どうぞよろしくお願いしますぞ。
今回私は、あのパーティーをお任せできるかを確認しにきた。ラクストよ私は、そなたなら大丈夫であるとわかった。やはり自分の目で確認しなければ安心できぬからな」
「ラウス様、私からも申しあげます。ラクストなら何の心配もありません。人格も冒険者としての知識も戦術も腕も、なんなら裏の事もこなしてみせるだけの度胸もあります。そして、こいつには情があります。2人を導き良き助けとなりましょう」
「ギルドマスター、ありがとうございます。その言葉もともに王にお伝えしましょう。では、私はこれで失礼するよ。」
安心したように宰相ラウス様は微笑み、ローブをまた深々と被ると馬車にのり帰っていった。
「ギルマス。俺、何か間違ったんじゃないかな?」
「ああ?何言ってやがる」
「さてと、おい、誰か宿に行ってアレスと坊主達にギルドにくるように伝えてくれ。至急だ」
それだけ指示をだすとギルマスは忙しそうに席をたった。
俺はそれでも、今聞いた話しを反芻しては冷や汗をかき、その場から動けなかった。
だが暫くしてアレスやヒオ達がきてギルマスが説明をしている内に諦めがついて、1つ大きく深呼吸をした。
まぁ、もう決まっちまったもん、どうしようもないしな。
そう俺が自分の中で納得したのを見極めたように突然
『ラクストよ。そちには、これからいろいろと世話になるだろう。よろしく頼む』
「しゃべった。雪、いやフェンリル様、喋れたのか?」
「雪でよい。これから共に旅をするのだからな」
「はい。まぁ自分で決めた事ですからね。楽しくいきますよ」
「ラクスト一緒に行ってくれるの?」
「ああ」
「やった。僕とっても嬉しい」
そういうとヒオと毛玉が抱きついてきた
「俺も嬉しいぞ、これからヨロシクな」
「ラクスト、僕もよろしくお願いします。これからもアレスと呼んで下さい」
「ああ、改めてヨロシク頼む。これからの旅で色々と教えてやるからな」
「はい」
アレスも嬉しそうに微笑んでいた。まぁこの表情を見れば、俺の判断も間違ってないって事だよな。責任は重大だし、なんなら初心者を2人連れての旅だがな。
俺の新しい人生の始まりでいいんじゃないか?
そう思うと、俺自信も楽しく思えてきた。
最後にギルマスが俺をA級にしたからって言いだした。
A級になると特別に使える通信の手段があるらしい
まぁしょうがないかフェンリル様に王子様だしな。報告は必要だな。
A級になると街に入った時に貴族や豪商に呼び出せれて面倒くさいんたがなー
ギルマスとしてはせっかくフェンリル様がいるのだから
討伐できなくてデッドストックになっている案件を片付けてくれと言う思惑もあるらしい。
まぁそれも有りだな。
楽しい旅になりそうだ。
そう思い、旅に思いを馳せていたが最後に大きな雷が落ちてきた。
王宮に招かれた上に王様と王妃様との謁見が入れられたのだ。
なんだよそれ、俺ただの冒険者だぞー
何させるんだよ(涙)




