ウサギさんリュック
今日も僕はラクストの肩の上。
今日から僕達は同じパーティー「青い雲」になったんだよ。
ラクストが僕達と一緒に旅に出てくれる事になった。
その旅に出る為の買い物も今日でだいたい終わるんだって。
そして、今日の買い物は昨日のしょんぼりの元になったお料理関連です。
まず道具屋さんにいって大きな寸胴鍋から小さいヤカン、包丁や食器、果物ナイフまで買い揃えました。
僕が使う為の小さめのお鍋やスプーン、ナイフも買ってもらいました。
嬉しくて僕のお料理の道具は僕のウサギさんリュックに入れました。
それを背負ってウキウキで歩いていると、後ろから誰も着いてきません。
「?皆どうしたの」
「ヒオ、お前、お前用の料理の道具どうした?」
「うん?ウサギさんリュックに入れたよ」
「・・・そうかウサギさんリュックに・・・って、なんで入るんだよ」
「あれー?ほんとだね」
確かにウサギさんリュックよりお鍋も大きいし、量も多いです
僕はリュックを降ろしボタンを外して中に手を入れてお鍋を出します。
手を入れてお鍋って考えたら手にお鍋がのりました。
あれっこれって?
僕はもう一度中を覗き込み首をかしげて、中の荷物って念じた。
すると目の前にタブレットの画面のような物が表れて中の荷物が表示されます。
それを繁々と見ていると雪が寄ってきて一緒に覗き込み
「マジックバッグ、いや、異空間収納になっておるな」
って言いました。
「そうなの?」
「ああ」
それを聞いてアレスが額に手をあててます。
「・・・なんでそんな事になった」
ラクストもジト目で僕を見下ろしながらそう聞いてきます。今日もイロイロある1日です。
「あのね、この前アレスと雪にバッグの事や異空間収納の事聞いてカッコいいなーって思って、その夜に僕のウサギさんリュックを抱っこしてー大きくなーれ、大きくなーれ、大きくなーれ、時間よ止まれって言ってたの、そのまま何回か言ってるうちに僕寝ちゃった。それだけ」
「あーあの日の朝の事か」
アレスが思い起こすように呟き
「それだけって・・・」
ラクストが崩れ落ちてから
「俺、ヤッパリはやまったかな?」って呟いてます。
たって僕だって出来てるの知らなかったし。
大きなため息を吐いたラクストが何かを諦めるように立ち上がり、もう一度ふんって気合いを入れて僕を肩にのせた。
「まぁ、今さら終わった事を言ってもしょうがないな。アレス、最後の買い物だ。テントを買いに行くぞ。それで旅の準備はほぼ終わりだ」
「はい」
「テントを買うの?」
「ああ、必ず必要だからな。虫や害獣の侵入も防げるし、雨風も凌げるからな。テントの他には寝袋も買わなきゃな。森の中は街より寒いんだ。寝袋も必ず必要だぞ」
「雪や毛玉も一緒に入れる?」
「ん?雪や毛玉も一緒に寝るのか?」
「うん。一緒じゃなきゃいやだ」
「ニャン」
毛玉も同意するようにラクストを見る。
「んーそうすると結構デカイのも買わなきゃいけなくなるな。場所に拠ってはデカイのが張れないところもあるから小さいのもいるし。まぁ、いいか俺もお前達もマジックバッグ持ってるから荷物にはならないしな」
「ラクストもバッグあるの?」
「おう、持ってるぞ、俺もこれでもB級だったんだ。そんぐらいは稼いでたさ」
「おー」
少しドヤ顔したラクスト
僕はパチパチと手を叩いて「ラクスト凄いねー」って褒めました。
「何か、言葉に心が込もってないな」
「そんな事ないよ。ラクスト凄いなって思ってるもん」
「そうかよ」
「ホラホラ立ち話もなんだからテント売ってるお店に向かおう」
アレスに即されてお店に向かって歩きだした。
でもテントのお店に着く前に通り沿いにあった家具屋さんのテーブルが気になってラクストを止めた。
「ねぇラクスト、ご飯食べるテーブルは?」
頭の上からラクストの顔を覗き込み聞いてみる。
「普通、冒険者の旅でテーブルで飯食ってるの見た事はないが・・・」
「えー僕、ちゃんとテーブルでご飯食べたい。テーブルないとスープとかこぽれちゃうよ」
「いいんだよ。こぽれても地面なんだから」
「いやだ」
「いやって・・・」
ラクストは困ったように髪をカシガシとかき回し、少しの間考えると
「まぁ、いいか。じゃあその店に入って選ぼう」
そう言い、店に入ると、いくつか見せてもらい、その中から四角で足が50センチぐらいの物と丸で足の短い物
それに合わせて僕が座る椅子。雪と毛玉が食事をするテーブルまで買い揃えて満足しました。
その後ちゃんとテントを買いに行って大きな四角いテントと三角のテントと寝袋も買って、後、忘れ物がないか考えていて、とっても大事な物を買っていない事に気付いた。
「ねぇラクスト、食糧品買ってないよ」
「おっ、そういえば、そうだな。もうイロイロ有りすぎて忘れてたな」
「ダメだよ。早く買いにいかなくちゃ」
「はい、はい」
そこからの買い物も、とっても楽しかった。
調味料、香辛料、乾燥野菜、生のお野菜、乾燥したお肉や、生のお肉、乾燥した果物、生の果物、見た事のない野菜、果物に僕、嬉しくなっちゃってラクストにあれもこれもと買ってもらった。
最後にお菓子の売ってるお店があって、果物を、溶かした砂糖で包んだ飴を籠いっばい買ってもらったよ。
お口の中に入れて貰ったおまけの飴は甘くて、酸っぱくてコロコロしていてニコニコが止まりません。
アレスとラクスト、雪や毛玉にも1つずつお口に入れてあげて皆でニコニコしながら食べました。
そしてやっと、お買い物も終わったので、僕達は一度お城に帰る事に。
王さまや王妃様に出発の挨拶をしてから旅に出るので今夜はお城で過ごすよって。
ラクストは行かないつもりだったみたいだけど、一度はちゃんと顔合わせをして、王様達と話しをした方がいいって雪が言うと、とっても、とっても、嫌そうにしながらも僕達と一緒にお城に行く事になった。
歩いてお城に向かう訳にはいかないらしく、一度冒険者ギルドからお城に連絡をとり、お迎えに来てもらって
ギルドから馬車に乗ってお城にいきました。
「お帰りなさいませ。アレス様、本日は王も王妃様もご家族での時間をと言う事でそちらのお部屋の方へ皆様をご案内致します。」
「わかった」
おーアレス、やっぱり王子様だねー
執事さんの先導でお部屋に案内して貰った。
「それではフェンリル様、毛玉様、ヒオ様、こちらでおくつろぎ下さい」
「ありがとう」
この前お城に来たときにいた部屋は特別なお部屋だったので、(ステンドグラスみたいな天井や大きな祭壇とかね)
そのお部屋に比べたら、フカフカのソファーや絨毯が暖かみを感じさせるお部屋です。
毛玉はすぐにソファーに飛びのり身繕いをするとコロンと横になり丸くなって寝てしまった。
雪は僕のバッグから雪のクッションを自分で出し、そこで寝心地を確かめるように一周まわって寛ぐように横になった。
それを見ていたら僕も眠くなり、こっくん、こっくんと頭が揺れる。
「ヒオ、こっちに寄り掛かれ」
ラクストが僕の頭をそっと自分の肩に抱き込んでくれた。
僕のこの日の記憶はここまでです。




