マジックリュック?
お洋服のお買い物ですっかり疲れた僕達。
お部屋に戻ると今日買ったパジャマに雪にクリーンをかけて綺麗にしてもらって着替えるとそのままベッドに入ってコロンと横になったよ。
アレスも本当に疲れていたのか、僕が横になったのを確かめてから隣に横になりすぐに眠りについた。
僕も眠るつもりで目を閉じていたけど、今日聞いたアレスのバッグの事が気になって眠れない。
アレスのバッグ、このお宿ぐらいの量がなんでも入れられて時間停止もついているんだって。
いいな~カッコいい。
雪にも聞いてみたけど、雪はバッグではないけど、空間収納を持っていて、もちろん時間停止で量の制限はないんだって。
そんな2人の話を思い出しながら僕は自分のウサギさんリュックに手を伸ばしじっと見つめる。
僕のこの茶色いウサギさんリュックも2人みたいになんでも入ればいいのになー。
ボタンを開けて中を見る、そして中に手を入れて広げるように手を這わせ目を閉じる。
雪が魔法はイメージだって言ってたからね。
僕はウサギさんリュックをしっかりと持って、大きくなーれ、大きくなーれ、大きくなーれ、時間止まれ、大きくなーれ、大きくなーれ、大きくなーれ、時間よ止まれ
。そう唱えながらコロンと横になる。
大きくなーれ、大きくなーれ、大きくなーれ、時間よ止まれ。大きくなーれ、大きくなーれ、大きくなーれ、時間よ止まれ。大きくなーれ、大きく・・・寝ました。
「ヒオ、おはよう。起きてご飯を食べに行こう」
ウサギさんリュックを抱きしめて寝ていた僕を見てアレスが微笑ましそうにしている。
違うよ、ぬいぐるみのように抱きしめてたわけじゃないよって言おうとしたけど言葉が出なくてアレスに解ってるよって感じで髪をクシャッってされました。
「さぁ、早く洗っておいで」
「むー・・・はい」
ポテポテと顔を洗いに行き、戻ってくるとお洋服に着替える。
街の外に行くわけではないのでシャツだけ。べストとかは着ていかないよ。でもウサギさんリュックは持って行きます。
僕の準備が終わって雪と毛玉も一緒に朝御飯。
メニューは昨日と変わらないけど、今日も美味しくて、雪と毛玉も美味しそうに食べてる。偉いねお野菜もちゃんと食べてるよ。僕もそれを見ながら、皆に負けないように一生懸命食べます。だって一番最後まで食事してるの昨日も今日も僕なんだもの。毛玉もそんなに入るのってぐらいお皿に盛ってあるのに平気な顔して食べ終わってるんだもん。今日も僕がビリ。
そして、いつの間にか来てたラクストに今日も肉団子を持っていかれた。
「ラクストさんおはようございます」
「よう、おはよう。昨日の疲れはとれたか?」
その言葉をアレスが苦笑いで答えた。
「そんで今日はどうするんだ?」
「そうですね、まずは防具を買いたいですね。胸当てや小手カバー、グローブ等」
「あーわかった、じゃあ行くか」
今日も安定のラクストさんの肩の上です。
午前中はラクストさんの友達だっていう防具のお店でお買い物。
アレスだけなのかと思ったら僕もいろいろ必要なんだって。見習いで小さいから狙われやすいんだって。獣にも盗賊にも。たからケガが最小限で済むようにちゃんとするんだぞって。指先のないグローブとかも身長の小さい僕だと草が生い茂っていて、そらを避けるだけで草で手を切ったりするんだって。
ラクストさんに物知りだねって言ったら、ラクストさんの友達の店長さんが爆笑して、僕は拳骨されました。なぜ?
ここでも沢山の買い物をして、お昼になったのでラクストさんの友達の店長さんも一緒にご飯にしました。
食事をしながら衝撃の事実が判明。
もともとは店長さんも冒険者だったらしく若い頃にパーティーを組んで仕事をした時の当時の相棒の話しや旅の様子などを教えてくれていたんだけど、そんな旅の中で野営をした時の食事事情の大変さをラクストさんと店長
が面白おかしく話してて、そのついでのように僕達に野営の時の食事はとうするのかと・・・
「僕はきっとお湯を沸かすぐらいしかできないです。お茶すら自分で入れた事もないので」
「・・・まじか」
「はい」
「そいつは・・・ラクストこの旅は食事は諦めるしかなさそうだな」
「そうだな」
ラクストさんも頭を掻きながら同意する。
そんな皆の諦めたような空気の中、僕が自信満々で手を挙げ宣言する。
「僕がするよ。料理は僕ができるよ」
「あー、ヒオ、まぁ多少の料理はお前でも出きるだろうが、その前にお前達、魔獣の解体がまずできないだろう。たとえ雪が魔獣を狩ってきたとしても食べられないだろう」
「あっ」
しょんぼりする僕と申し訳なさそうにするアレス。
「まぁ、乾燥肉なんかの保存食で旅をする奴らもいるからな」
「ああ、そうだな」
慰めるように言う店長とラクスト
『ヒオ、しょうがないではないか、その内になんとかなるさ』
雪もそう慰めるように言ったが、その横で毛玉が絶望的な顔をしてこちらを見ていた。
「ご飯」とても、とても小さな声でそう言って項垂れた。
それを見ていたら、とても悲しくなって涙が溢れそうになってきた
「待て、待て、ヒオ泣くな。しょうがないだろうが」
「でも・・・旅に出たら練習も出来ないでしょう。だからって練習してたら、すぐには旅に出られなくなっちゃう」
「まぁ、そうだがな」
なんとなくだが、すぐに旅に出られると思っていただけに、それが叶わないとわかると残念でしょうがなくて今日までのお買い物も色褪せてしまったように感じた。
この日はこのままお宿に帰る事にして、ラクストとも別れた。
そんな僕達を見てラクストが何か考え込んでいる様子に雪だけが気が付いていた。
毛玉は拗ねて雪の上でふて寝していたけどね。




