お買い物3
朝御飯食べて、今日もお買い物。
当たり前のように僕らのテーブルについて、お茶を飲んでいるラクスト。
「さてと、今日は何から買いに行くんだ?」
僕をチラッと見た後、アレスに向かって聞く。
「今日は、まず服を買いに」
「服?チビのだけか?」
「いえ、僕の物も合わせて全てです」
「ふーん、わかった。じゃあ行くか」
ラクストが立ち上がり、昨日と同じく僕を肩に乗せる
楽しそうに鼻歌を歌いながら歩く。
「服かー、ヒオ、お前今どんなん持ってんだよ。同じような物買ってもしょうがないだろう」
「持ってない」
「は?」
「僕、服持ってないよ。今着ているこれだけ」
「はぁ?これだけって・・・」
「お靴も一昨日アレスの所でもらった。お靴は1足も持ってなかったから」
そう僕、あの地震の時、お部屋にいたから靴履いてなかったの。雪の岩山にいた時は必要なかったし、この国に来るまでも雪の背中の上だったし。
「待て待て、じゃあ、全部って本当に頭の先から足の先まで全てか?」
「だから、そうだってば」
「・・・あっ、そう」
唖然とした表情のラクストはそのまま街の中を歩き、暫くして一軒の店に入った。
「いらっしゃいませ」
グリーンの長い髪の綺麗なお姉さんがニッコリと微笑んでくれた。
「よう、カリアナ」
「ラクストさん、こんにちは」
「今日は客を連れて来たんだ。この小さいのはヒオ、冒険者見習いになって旅にでるんだ。それで悪いんだが
旅に出れるように一式揃えて欲しい」
「一式?」
「ああ、一式だ。そうだな、まず下着の上下、それからシャツ、ズボン、ベスト、上着、靴下、雨具、靴、雨靴帽子そんな所だ。支払いは心配しなくていい」
ラクストがアレスを見る。アレスがなんの躊躇いもなく頷く。
「たから替えも含めて旅に出れるように一式揃えて欲しいんだ。そうだな、まぁ一週間分程度た」
「わかりました。ではヒオ様」
「ヒオでいいです」
「わかりました。ではヒオ、私と2人でお買い物デートしましょう」
「うん。よろしくお願いします」
「はい」
カリアナさんはニッコリ微笑んで、僕と手を繋ぎお店の右奥に進んで行く。
お店の右側はジュニアの服やその他が揃えてあるようだった。
一方、アレスと残っていたラクストはアレスに向かって聞いた
「そんで、アレスは何を揃えるんだ?」
そのラクストの言葉にアレスはとっても申し訳なさそうに目をそらし
「スミマセン、僕も肌着から一式なんです」
「はっ?」
「僕も何も持っていなくて」
「・・・あーもう、わかった」
大きなタメ息を吐くとラクストは頭をガシガシと掻きながら左手奥に進んでいった
僕はカリアナさんに手を引かれ一番奥まできた。
そこは絨毯がひかれソファーが置いてあったり、大きなクッションやフカフカのクッションが置いてあった。
カリアナさんに下ろされ靴を脱いでそこに立つ。
そして早回しのように目の前に品物が届く。
まず肌着、上下で5セット、靴下10足、等々さっきラクストが言ってた物がそろっていく。
シャツやズボンになると何度か脱いでは着てを繰り返し、僕途中で疲れてソファーに横になって寝てた。
その間にもカリアナさんによる選定は進んでおり、次に目が覚めた時にはほとんどの物がそろっており、カリアナさんが満足そうにドヤ顔をしていた。
僕途中寝てたのに、何故かとっても疲れてたよ。
一方アレスの方はというとアレスはさらに疲れた顔をしていた。
肌着はともかくとして服を決める頃になると何故か店員のお姉さんが増えていて、あれや、これやと持ってこられ試着室に押し込められという、いつ終わるかわからないループにはまっていたらしい。
ラクストは最初の内は適当にお姉さん達をあしらってくれていたらしいが、その内にお姉さん達からのプレッシャーに押され何も言えなくなったらしい。
そしてアレスは虚無の顔で過ごしていたらしい。
可愛いそうに、でも僕じゃなくて良かった。
でもそれも僕のお買い物が終わり、僕の買い物がアレスの所に届いた所でやっと終わりを迎えた。
「アレス、お疲れ様」
僕が慰めるようにポンポンと足を叩くとアレスが頭をグリグリしてきて深い溜め息をついた。
「そらでは、これを」
アレスがそこまでいいかけた所でカリアナが待ったをかけて
「パジャマは選びましたか?後、大判のタオルや各サイズのタオルも必要だと思いますよ」
「あーそうですね。タオルはヒオの分は選んでありますか?もう選び終わっているなら、もう2セット同じような物を揃えて下さい。それでかまいませんので。パジャマは・・・あーそこにあるTシャツとそこの柔らかいパンツでかまいません。それを3セット色違いで下さい」
すっと選び終えアレスも溜め息をついた。
僕達の前に積まれた服を店員さん達がたたみながら計算していく。
とそこへ、さっきまで関わらないように離れて寝ていた雪と毛玉がそれぞれに、雪は今の雪のサイズがちょうど収まるぐらいの大きさの、ふんわりしたクッション。
毛玉は寝たら埋まって見えないんじゃないのって思えるぐらいのフッカフカのクッションを口に咥えて、その服の山に当たり前のように足してきた。
ちゃっかりしてるねー
それを見たアレスは苦笑いをしながら頷いて計算の山に入れた。
僕とアレスのクッションも欲しいなーと見ていると雪が奥に戻って行き、サイズ違いのクッションを毛玉と一緒に持ってきてくれた。
「持ってきてくれたの?ありがとう雪、毛玉。アレス僕達お揃いだよ」
「そうだな、ありがとう2匹とも」
アレスが優しい顔でお礼を言い、雪はフンと照れくさそうに鼻をならした。
その全ての会計を済ませ店を出た僕達、とってもお疲れ様です。
なので今日はこれでお宿に帰ります。
ラクストがお宿まで送ってくれて、明日もまた迎えに来る事を約束して帰って行きました。
ラクストを見送りドアを開けた所で僕はアレスも僕も手ぶらなのに気が付きました。
「アレス、荷物は?届けてくれるの?それとも忘れた?」
「ん?あーヒオ違うよ。ちゃんと持っているよ、このバッグの中にね」
そう言ってアレスがボンと叩いたのは昨日から肩にかけていたバッグ。あれだけの荷物が入るような大きさのバッグではない。
「ヒオ部屋まで待ってね」
アレスはそれだけ言うと僕を抱っこしてお部屋に向かった。部屋に着き僕をベッドに下ろすとアレスは肩にかけていたバッグを僕の前に置き見せてくれた。
「あーちょっと待ってね、今はまだこのバッグは僕にしかだせないんだ。雪、このバッグの契約を僕とヒオと雪と毛玉に替えてくれないか?」
「それは簡単だが、我と毛玉まで良いのか?」
「当たり前じゃないですか。雪も空間魔法は使えるでしょうが、ここに登録して置けば欲しい時に雪や毛玉か物をとりやすくなるでしょう?」
「まぁ、アレスがそれで良いなら登録しょう」
「よろしくお願いします」
そう言うと雪が魔法を使った。僕にはなんの事か良く解らなくて首を傾げた。
不思議そうな顔の僕の顔を見てアレスが笑ながら
「もういいよ。バッグの中に手を入れてごらん」
アレスにそう言われてバッグの中に手を入れると目の前に中の物の詳細が出てきた。
「今は中に何が入っているか解るように見えていると思うけど、これが欲しいと思って手をいれればそれを取ることもできるよ」
その言葉に僕はんーと考えてクッションを思って手を入れた。すると手に物がふれ、手をバッグから出すとクッションが握られていた。バッグよりも大きいのに。
「これが昨日話していたマジックバッグだよ。中はだいたいこの宿ぐらいかな」
「この宿?このバッグにこの宿ぐらいの荷物が入るって事?」
「そう、でもこれはあまり知られてはいけないんだよ。襲われたりするといけないからね」
「そうなの?」
「だって便利だろう。沢山の荷物を抱えて歩かなくてもいいんだし、それにこのバッグは時間停止もついていて暖かい物は暖かいまま、冷たい物は冷たいまま持っている事がてきるんだ。だから食べ物が腐る事もないって事だからね」
「おおーすごい」
「だろう。でもこのバッグは今、雪に魔力で僕達だけしか使えないようにしてもらったからね。万が一取られたとしても中身を取られる事はないよ」
「ああ、それに力を注げば戻って来るようにしておいたゆえ、心配いらぬぞ」
「すごーい、そんな事ができるんだね」
アレスに向かってそう言うと、アレスは苦笑いして
普通はできないかなって言ってた。
今日の買い物も昨日の買い物も全てこの中に入ってるん
だって。すごいねー
僕なんかワクワクしてバッグをジーっと見てた。
雪はバッグの中から自分のクッションを出しクルンと横になり、毛玉も自分でクッションを出して埋まって寝てしまった。
すごい、楽しい、僕も欲しい。
僕にも作れるかな?
そんな風に思って僕はバッグの中から僕のリュックを出して考えた。




