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氷結の吸血鬼現る②

 ディアンは脚をエルドラに向かい振ると流れる血を飛ばす。

 無数の血の塊はたちまち大きくなり針のように鋭利になると、速度を増してエルドラを襲う。

 しかし、エルドラは全く焦りを見せない。

 それどころか余裕な表情で立っており、その場から動く素振りすらなかった。

 避けられない距離まで血の針が来た次の瞬間、エルドラの正面に巨大な氷の塊が出現し、血の針が突き刺さる。

 分厚い氷は血の針では破壊出来ず、防がれてしまう。


「残念やな」


 だがディアンも初手で倒せるなどとは初めから考えていない。

 ディアンは血の針を飛ばした後、高速でエルドラの右側に移動していた。

 再度脚の血を飛ばし無数の針を作る。

 しかしそれも同じ様に防がれる。

 だがそれで良かった。

 ディアンは手を緩めずをやめず、背後、左側と同じ様に攻撃をする。

 全て氷の壁に阻まれてしまうが、計算通りだった。

 四方は自身の氷に囲まれ、残る道は上空のみ。

 ディアンは空へ脚の血を飛ばすと雨のごとく、血の針をエルドラへと降らした。


「これで逃げ道はなくなったな」


 案の定、降らせた針も防がれる。

 しかし、その結果エルドラは自身の氷によって四方上空全ての逃げ道を潰され、氷の牢獄に囚われる事となった。

 エルドラが足元を凍らせた時から、ディアンは距離を取って戦う必要性があると考えていた。

 故に中距離からの攻撃に徹した。

 決まればそれで良し。失敗なら次の手に移る。

 結果として初手は失敗に終わったが、代わりに氷の強度は測れた。

 自身の氷とは言え、生物を簡単に貫く威力の攻撃を容易く防げる程の強度だ。楽に解除は出来ないだろう。

 正面へと戻ってきたディアンは距離を取った位置に立つと、右手で銃の形を作り人差し指をエルドラへと向ける。

 傷付けられた指先には血が圧縮されていく。

 血の針で壊せなかった氷の壁を壊すにはどうしたらいいか。

 簡単な事だ。更に貫通力を高めればいい。

 狙いを定め、ディアンは圧縮した血の弾丸を放つ。

 放たれた弾丸は針のスピードよりも更に速く、氷に到達する。

 そして、血の弾丸は一瞬にして分厚い氷を貫き、中にいるエルドラをも貫いたのだった。


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