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11.ち〇こ揉み揉み拳法

この11話には下品な表現が含まれております。

苦手な方は、このお話は飛ばしてください。

 トイレを出るや否や、なんだか息を荒らげている男が視界の端に映った。


 クラスメートの陽キャ、本庄(ほんじょう) 力斗(りきと)である。


 その様子はまるで、物陰に隠れて誰かを観察しているかのようだった。


「ハァハァ……おっ、おう、凄森(すごもり)くん! ハァハァ……」


「あ、うん、おっす。

 ……それで、何かあったの?」


 たどたどしい本庄 力斗の様子を見て、俺は疑問をこぼした。


「いやー、どうもこうもないっしょ。あれ見てよ、アーレ!」


 彼はそう言うとコッチに来いと言わんばかりに手招きをした。


 それに乗って俺は本庄 力斗の隣へ行き、彼の指示する方向に目を向けた。


「……ん? なにも、ないけど」


「いや、よーくみてよ、あの子だって!」


 そう言い、彼はある人に指を指した。


 全く、人に指を差してはいけませんと習わなかったのだろうか。

 まぁ、それはさておき、俺はもう一度そちらに目を向けた。


「……あ、もしかして委員長?」


「ハァハァハァハァ……」


 本庄 力斗が指示する方向には、どう見てもクラスメートの委員長、工藤(くどう) (りん)しか居なかったため、委員長かと聞いた。


 すると、彼はまたもや過呼吸気味に息を荒らくした。


「委員長が、どうかしたの?」


「ハァハァ……どうもこうもないっしょ……ハァハァ……工藤さん可愛すぎね!? 凄森くんもそう思うっしょ!?」


「要するに……本庄くんは委員長の事が好きって事?」


「ハァハァ……いやそんな事言ってないから!

 ……てかなんで分かったんだよ! 俺誰にも言ってないんだけど!」


 あー、この人、天然ってやつかも知れない。

 彼の言動と様子を見ていれば、鈍感で童貞の俺でも流石に勘付くのだ。


 彼が、委員長の事が好きだと。


 少女漫画で、何回か同じ様な場面を見たからな。


「ま、まぁ風の噂って言うかなんと言うか」


「はー!? おーしーえーろーよー!!」


 彼はそう言い、俺の肩を掴み激しく揺らした。

 もはや軽く意識が飛びそうだった。

 この男は、加減と言うものを知らないのだろうか。


 だが、恋は盲目であると少女漫画で見たことがある。

 そのため、好きな人である委員長を目の前にして、彼が平静を保てないのは不思議ではない。


 しかし、こうしている間にも昼休みは刻々と過ぎていく。

 このままでは、中庭に行く時間が無くなってしまう!


「ご、ごめん本庄くん!」


 そう言い、俺は必死に本庄 力斗から逃げようとした。が――


「……ま、待ちやがれェ! くらえ、ち〇こ揉み揉み拳法!」


「ぐはぁ!」


 彼はそう言うや否や、後ろから俺の股間を握ってきた。

 悶絶した俺は、その場で(うずくま)った。


「わっはっはー、もう少し俺に付き合ってよ、凄森くん!」


 くそぉう、昼休みの残り時間は限られている。

 こうなったら……


「くらえェ! ち〇こ揉み揉み拳法返しィ!」


「ぐはぁ!」


 片手で自分の股間を抑えながら俺は、本庄 力斗の股間を握った。

 ち〇こ揉み揉み拳法返しである。


 俺は、そんな拳法習った事が無いので本庄 力斗の見よう見真似だったが、非常に彼には効いたようで、


「ハァハァ……やるな、凄森くん……俺の弟子にしてやっても、いいぜ……」


 そう言う彼をその場に残し、股間を抑えながら颯爽と俺は去った。


 陽キャに対しあんな対応を取るなど……俺も成長したものだ。

 まぁ、それも本庄くんが優しいからなんだけどな。


 しかし、ち〇こ揉み揉み拳法には少し興味が湧いた。

 もしち〇こ揉み揉み拳法を免許皆伝出来たのなら、ヤンキーに絡まれても勝てるかも知れないからな。


 そして今から向かう所は、そう。

 中庭である。


 まるで戦争で死地に赴くかのような心構えで、俺は中庭に向かった。


 だが、恐れる事など何も無い。

 今の俺には、ち〇こ揉み揉み拳法があるのだから。

出来る限り頑張ります。

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