~ ヴァン side ~ スチルあり
「ったく、ユリのヤツふざけやがって…」
こんなゴミつけさせて。ゴミ箱に捨ててやる。
「王子!」
まず尻尾から取らないと
「王子!!」
「ひゃい?!」
ばっと後ろから肩を掴まれ思わず変な声を上げてしまった。
「探しましたよ王子。さぁ、宮殿に帰りましょうにゃ」
振り返ると……まっぶしいイケメンが立っていた。…てか耳と尻尾がある。
「……ねこに…ん…」
「何言ってるんですか、俺は貴方の兄ラムセスですにゃ」
「……ぇ?」
俺様に猫人の兄なんかいねぇ…
「勘違いじゃ?」
「いいえ勘違いではありませんよセト王子。さあ、私と一緒に宮殿に帰りましょうにゃ」
ばっと担ぎ上げられ、俺様はやたら豪華な金ピカの船に乗せられてしまう。
しかも個室に放り込まれた。
「これ、やべーんじゃねぇの?」
ってかセト…セトって…何処かで……
「あ」
思い出した。ってかあいつの事も思い出した。イケメンランキング4位のラムセスと5位のセト!間違いねぇ!しかも確か灰猫王の息子だったはず!!
「やべーよ。これぜってぇやべーよ」
バレたら死刑?!
コンコンッ
「なっ」
ガチャリ
ノックして入って来たのはさっきのクッソイケメンのラムセス。
「毛づくろいに来ました。我が王子」