ワクチンの話
「今日はぬるくて気持ちいい…」
前は熱くてのぼせちまった。
「あまり熱くないように温度調節してあるからな」
「そーなんだ」
何もかも白獅子の所と違う。未だに風呂はボイラーか薪で温度調節は出来ないし、風呂も鉄で出来ている。
こっちの風呂はプラスチックみたいのだったり大理石みたいのだったり。風呂も機械で沸かしている。
「それにしても本当に大丈夫か?」
「大丈夫。ラムセスが看病してくれたから」
もう三日目だし、薬が効いたのかな。昨日は本当に酷かったけど。
「ワクチンは打ってなかったか?」
「わく…なんだそれ?」
「三日風邪やその他様々な病気にかならなくなる注射だ」
今まで生きてきた中で病院に行った記憶がないし、注射もした事ない事を伝えると酷く驚かれた顔をされた。
「よく今まで無事だったな…」
「いや、ふつーじゃね?白獅子の所で病気になる奴なんか滅多にいないし…」
「しかし…ワクチンを義務付けてないとは。やはり白獅子の領土は遅れているな」
それは俺様も感じる。文明の差があまりにも開き過ぎて何についてもショックばかり受けて来た。
「落ち着いたらヴァンには全ワクチンを受けてもらうか」
「えー、注射って痛くて怖いんだろ?やだよ…」
「だがお前が病気にかかって苦しんだり死ぬのは嫌だ。頼む。ワクチンを受けてくれ」
そこまで言うのなら…あ、そうだ。
「分かった。でも、ノーザンライツの皆も受けさせれる?俺様にとっては大切な家族なんだ」




