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~ ユリ side ~スチルあり
~ ユリ side ~
「ユリ…」
「ぇ…」
ペロペロとセト君は僕の髪を舐め始めた。
「ユリが元気出るように、毛づくろい」
「っ、くすぐったい…」
くすぐったいけど悪い気はしない。
(はっ、駄目駄目。僕にはヴァンがいるのに…)
「泣かないでユリ.泣いたらヴァンが悲しむよ」
「…ずるいです」
涙もぺろりと舐められ、これ以上泣いてなるものかとぎゅっと瞼を閉じる。
「ユリ-!セト君、ご飯よー!」
後ろでお母さんが呼んでいる。
「もう、大丈夫です」
ゴシゴシと袖で涙を拭き、僕はセト君に手を差し出す。
「ノーザンライツのご飯は芋ばかりだけど美味しいんですよ」
「そうなのか。海賊のご飯は憧れだったから有り難いにゃ」
と言って手を握る。
きっとすぐヴァンとこうやって出来る日がまた来るんだ。それまで我慢。我慢しよう。
セト君の手を引き、僕達は食堂室へ向かう。




