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~ ユリ side ~
~ ユリ side ~
僕達は船に乗り込むと出港準備を急ぐ。
「ヴァン、無事でいてよ…」
僕は祈るしか出来ない。
ヴァンのいない人生なんて考えられない…
なんとしてでもヴァンを連れ戻さなきゃ!
「よし、出港準備完了!ヴァンを乗った船を追いましょう。
出力差がありますから追い付くのは河上では難しいでしょうが」
アルムの言葉にセト君は頷く。
「最低でも3日は差が開くにゃ。入国審査も何事もなければ順番待ちで2日。王都まで車で飛ばして2日にゃ」
「一週間か…」
ヴァンとそんな長い時間離れ離れになった事ないからとても長く感じられる。
動き出した船の船首で僕はただひたすら目の前の河を見つめていた。
「こんな時に聞くのは酷かもしれにゃいけど…ユリにとってヴァンはどんな存在なのかにゃ?」
「…ヴァンは…血のつながらない兄弟です。同じ日に生まれて、ずっと今まで片時も離れた事がなかった…大事な人です」
僕はヴァンが好きだ。性別を超えて…ヴァンがいなきゃ僕は駄目になる。ヴァンがいないとこんなにも苦しいし、泣きたくなる。
「必ず連れ戻します!」
「俺も協力するにゃ」
同じ顔のセト君が僕の頭を撫でる。
(…ヴァン…)
思わず泣いてしまうとセト君が抱き締めてくれた。
ヴァンはこんな事してくれない…でも、それでも僕は…ヴァンがいいんだ…。




