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04・君の名は



「あの~……さっきは …すみませんでした」


しばらくしてから ハーフエルフの少女が 戻って来た。

彼女の様子からして あんまり 華美な服だと 恐縮してしまうと思い

動きやすさをポイントにして新品を避けた。


結果 僕のスウェット上下になってしまったのだけど。

でもお気に入りのヘビーオンスで何回も着てないやつだから!


風呂上がりで顔が上気してほんのり赤い、

基本が色白のハーフエルフなのでかなり分かりやすい。

金髪のショートヘアも濡れてボリュームが無くなって

隠れていたエルフ耳が見えている。


ああ、確かにハーフエルフなんだ。

そしてたしかに綺麗な女の子だった。

今さらながら再認識した。


(僕の名誉のために申し添えておきますが、

さっきのお風呂場で確認したわけではありませんから!)


「とにかく、座って?食事にしよう、食べれない物とかあるかな?」


いまさら『スパゲティミートソースが 食べれません』とか言われたら困るけど

以前のハーフエルフの集落では 菜食主義とかでも 無かったし

人間と同じ物なら問題ないハズとは思うけど……


「これ、わたしが いただいていいんですか?勿論何でも食べれます!

いい匂いです!何ていうものなんですか?ゴクっ……」


最後、なんか飲み込む音が聞こえたけど……


「これは スパゲティミートソースって言うんだけれど…

そうだ!まだ君の名前を聞いてなかったよね?」


料理の名前よりそっち先でした。


「あ、すみません! シャルロットと申します!申し遅れました!」


「じゃあ、シャルロット 食べながら話をしよう、

先にスープから飲んだほうがいいかも?」


お腹が空いてそうなシャルロットに胃に優しそうなコーンスープから薦めてみた。

まだ遠慮してるのか 椅子にも座らず俯いている。


僕は 小さなテーブルを挟んで彼女の対面に座っていた。

このままじゃ先に進みそうも無いと思い

立ち上がってシャルロットの隣に立ち

椅子を引いて彼女の肩を押さえて座らせた。


「あ、あのあの~…」


肩を掴まれているので首だけ振り返ってなんか言ってるけど


「ご主人様と同じテーブルで何て食べれません……」


さっきのお風呂場でのお互いの常識の行き違いがあったせいか

さらに自信無げに シャルロットがつぶやいた。


「うーん、雇用主になるから『ご主人様』ってこと?

なんか大袈裟だからトールって呼んでよ?

あと、基本 食事とか全般、僕とおんなじ物を一緒にしてもらうつもりだから…

あ!お風呂は 一緒じゃないからね?」


最後のくだりは ジョークのつもりだったんだけど

シャルロットの顔を更に赤くするだけだった。


すべった僕も赤くなってる筈だとおもう……


とにかく一緒に食事をしてもらうことには成功した。


「美味しいです!なんか甘い?えとお肉なんですか?美味しいです!」


勿論異世界にはない料理ではあるけど

こっちが嬉しくなるくらい喜んでくれる。

笑顔がキラキラしてる…可愛らしい女の子だ。


「料理人さんもいらっしゃるのですか?トール様は貴族様なんですか?

この服すごく柔らかくて動き易いです!ああ⁈茶色のシミがー着いちゃた!

も、申し訳ございません!すぐ洗濯しなきゃあ?」


少しは馴染んでくれたのか

落ち着いて食事してもらうのが大変なくらいにはしゃいでくれた。


「その服は 汚れてもいい服だから !

そのままでいいから!

普段のシャルロットは 今みたいな感じなの?

僕といる時は その方が嬉しいな?何だかこっちまで楽しくなるよ。」


自分の店を開いて最近ようやく軌道にのって来たとはいえ

お客様は 裕福な貴族や商人が殆どで

友達感覚で気安い会話が出来る友人は少なかった。

無邪気に話すシャルロットを見ていると癒される自分を感じる。


いい従業員に巡り会えた?のかな?



まだ 仕事の説明もして無いのに…

『癒やし要員募集』してた訳じゃ無かったことに

僕は 暫く気がつかなかった。








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