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サマーウェーブ
1話1話短いのですぐ読めます。
その1
サマーウェーブ
僕の名前は、ケンタ。
趣味はサーフィンの高校生だ。
今日は僕の町でサーフィンの大会がある。
これに優勝したら一つ上の先輩に告白すると決めていた。
この日のために2ヶ月みっちりコーチもつけてもらい練習してきた。
「リラックスしてけよ」
気付いたら、隣にコーチが来ていた。
「はい、大丈夫です」
"レースに参加する人はコーナーに入ってください。"
「行ってこい」
バシッと背中をたたかれ喝を入れられた。
コーナーに入ると足が震えていることに気がついた。
「フッ」自然と笑みがこぼれた。
"ブー"という音がしてレースが始まった。
海が大きく揺れ大きな波が来た。
次の日、
「スキです」
屋上で僕は先輩に告白した。
返事は返ってこなかった。先輩は黙ったまま去ってた。
意外とショックは小さかった。
まだ、断れていないと心のどこかで思っていたのかもしれない。
後日、コーチから
「波には乗れても
女には乗れなかったな」
と笑われた。