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愛妻語録  作者: keikato
83/719

83 自分史

「オレも歳やな。この頃、なかなかネタが浮かばんのやけど」

 妻にグチをこぼした。

「どうするん? ネタがないと」

「それでも考えんとしょうがない。ほかのもんは書いてるけん、ほんとはネタなんていっぱいあるんやろうからな」

「それでもできんかったら?」

「そんときは自分史でも書くわ。自分史ならネタがいらんけん」

「でもそれって、あんたには絶対に書けんのやないの?」

「なんで?」


 妻いわく。

「だってあんたには、自分というものがないやないね」


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