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703 親子の絆
子供からの連絡。
それは決まって妻にあり、それはまた親子の絆ともいえるものだ。
妻もうれしそうだ。
「赤子と引き裂かれた母親がおったんやけどな。別れた子に会いたい思いが草のツルになって、二つの村を隔てた谷に橋を架けるんよ。母と子をつなぐ愛の橋をな」
オレは子想い橋という昔話をしてやった。
「あんた、うらやましいんね?」
「そんなツル、男親のオレにはないけんな」
「ツルなら、あんたにもあるやないね」
「なにが?」
妻いわく。
「金ヅル」
子供からの連絡。
それは決まって妻にあり、それはまた親子の絆ともいえるものだ。
妻もうれしそうだ。
「赤子と引き裂かれた母親がおったんやけどな。別れた子に会いたい思いが草のツルになって、二つの村を隔てた谷に橋を架けるんよ。母と子をつなぐ愛の橋をな」
オレは子想い橋という昔話をしてやった。
「あんた、うらやましいんね?」
「そんなツル、男親のオレにはないけんな」
「ツルなら、あんたにもあるやないね」
「なにが?」
妻いわく。
「金ヅル」