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639 あとがない
夕飯時。
自分の部屋に閉じこもって、パソコンの囲碁ゲームをやっていると……。
「ごはん、食べられるわよ」
妻が顔をのぞかせた。
「もうすぐ勝負がつくんで、あとで食べる」
囲碁ソフトのお兄さんと戦いの真っ最中、今はちょうどきりが悪いのである。
「冷えてしまうわよ」
「かまわんけど」
「ねえ、いつまで待たせるのよ」
妻の声のトーンが高くなる。
「だから、オレはあとで食べるって」
妻いわく。
「いろんな意味で、あんたにはあとがないと思わんとね」
夕飯時。
自分の部屋に閉じこもって、パソコンの囲碁ゲームをやっていると……。
「ごはん、食べられるわよ」
妻が顔をのぞかせた。
「もうすぐ勝負がつくんで、あとで食べる」
囲碁ソフトのお兄さんと戦いの真っ最中、今はちょうどきりが悪いのである。
「冷えてしまうわよ」
「かまわんけど」
「ねえ、いつまで待たせるのよ」
妻の声のトーンが高くなる。
「だから、オレはあとで食べるって」
妻いわく。
「いろんな意味で、あんたにはあとがないと思わんとね」