619/719
619 どうせなら
夕方のこと。
コタツで寝ていた妻が、急にウーウーとうめき声を出し始めた。
具合は悪いふうに見えず、変な夢にでもうなされているようである。
かわいそうに思い、オレは体をゆすってやった。
妻が目を開ける。
「なんか悪い夢を見てたやろ、だいぶうなされてたけんな。それで、どんな夢やったんや?」
「ドロボーに入られてね。家の中のもの、みんな持っていかれた」
「怖かったやろ」
妻いわく。
「どうせなら、あんたも持っていってくれたらよかったのに」
夕方のこと。
コタツで寝ていた妻が、急にウーウーとうめき声を出し始めた。
具合は悪いふうに見えず、変な夢にでもうなされているようである。
かわいそうに思い、オレは体をゆすってやった。
妻が目を開ける。
「なんか悪い夢を見てたやろ、だいぶうなされてたけんな。それで、どんな夢やったんや?」
「ドロボーに入られてね。家の中のもの、みんな持っていかれた」
「怖かったやろ」
妻いわく。
「どうせなら、あんたも持っていってくれたらよかったのに」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。