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愛妻語録  作者: keikato
61/720

61 つっかい棒

 某神社の梅祭りに行く。

 駐車場からは急な坂道が続き、オレはじきにへたばって地べたに座りこんでしまった。

「ダメや、足が動かん」

「がんばって!」

 妻が尻を押してくれる。

 途中。

 臥龍梅と呼ばれる数本の古木があった。

 その名のごとく幹は地面近くまで倒れ臥しているのだが、それは何本もの添え木に支えられ、やっともちこたえていた。

 そのことを妻に話す。

「あれ、つっかい棒がなかったら、すぐに倒れてしまうぞ」


 妻いわく。

「だれかさんみたいやね」


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