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54 魔法の鏡
手鏡をのぞきこんで鼻ヒゲを切っていると、妻が問うてくる。
「ねえ、自分の顔を見てどう思う?」
「なかなか立派なもんや」
「立派って、大きいってことなん?」
妻がすかさず茶々を入れてくる。
「りりしく美しいってことやないか」
「ウソ! 鏡に入りきれんで、よく見えてないんやないの?」
「ちゃんと、みんな映ってるわ」
「それで、ほんとに美しいと思ってるん?」
「ああ、この世で一番美しい顔や」
妻いわく。
「幸せやね、あんた。魔法の鏡を持ってて」
手鏡をのぞきこんで鼻ヒゲを切っていると、妻が問うてくる。
「ねえ、自分の顔を見てどう思う?」
「なかなか立派なもんや」
「立派って、大きいってことなん?」
妻がすかさず茶々を入れてくる。
「りりしく美しいってことやないか」
「ウソ! 鏡に入りきれんで、よく見えてないんやないの?」
「ちゃんと、みんな映ってるわ」
「それで、ほんとに美しいと思ってるん?」
「ああ、この世で一番美しい顔や」
妻いわく。
「幸せやね、あんた。魔法の鏡を持ってて」
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