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452 本当の姿
体を横向きに倒し、コタツから収納ボックスに手を伸ばしていたら、
「あんた、足がないんね?」
妻が皮肉をのたまう。
「足ぐらいあるわ」
「なら、ちゃんと立って取ったら?」
「こうやって這えばすむんでな」
「一度コタツに座ったら、芋虫みたいに這うことしかできなくなるんやね」
「芋虫も、そのうち蝶になる」
「でもあんた、ずっと芋虫のままやないね」
「じゃあ、今から蝶になって見せてやるわ。オレの本当の姿をな」
妻いわく。
「いい、見たくないけん」
体を横向きに倒し、コタツから収納ボックスに手を伸ばしていたら、
「あんた、足がないんね?」
妻が皮肉をのたまう。
「足ぐらいあるわ」
「なら、ちゃんと立って取ったら?」
「こうやって這えばすむんでな」
「一度コタツに座ったら、芋虫みたいに這うことしかできなくなるんやね」
「芋虫も、そのうち蝶になる」
「でもあんた、ずっと芋虫のままやないね」
「じゃあ、今から蝶になって見せてやるわ。オレの本当の姿をな」
妻いわく。
「いい、見たくないけん」
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