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436 泣き出すけん
深夜。
小便がしたくなって目がさめた。
いざトイレに行こうとすると、トイレの閉まる音が聞こえた。
オレは忍び足でドアの前に立った。
「きゃあー」
ドアを開けた妻が悲鳴をあげる。
「あんた、わざとそこに立ってたやろ」
「びっくりしたか?」
「あたりまえやないね」
「こんなにおどろくとは思わんかったんな」
「あんた、自分の寝ぼけた顔を見たことある? ま夜中、暗いところで」
「ないけど」
妻いわく。
「いっぺん見てみたらいいわ、たぶん泣き出すけん」
深夜。
小便がしたくなって目がさめた。
いざトイレに行こうとすると、トイレの閉まる音が聞こえた。
オレは忍び足でドアの前に立った。
「きゃあー」
ドアを開けた妻が悲鳴をあげる。
「あんた、わざとそこに立ってたやろ」
「びっくりしたか?」
「あたりまえやないね」
「こんなにおどろくとは思わんかったんな」
「あんた、自分の寝ぼけた顔を見たことある? ま夜中、暗いところで」
「ないけど」
妻いわく。
「いっぺん見てみたらいいわ、たぶん泣き出すけん」