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42 続・心と心
年の暮れ。
「窓ガラスが言ってるのよね。一年間の汚れを落としてくれって」
居間の窓ふきをやれと、先日の洗車のことを持ち出して妻が言う。
「なら、オマエがやったら?」
「それがね、どうしてもあんたに、背中を流してもらいたいってよ」
「イヤや。オレ、窓とは心が通じ合ってないけん」
「きれいにしてあげたら通じ合うかもよ」
「心が通じ合うにはな、長い時間がかかるんや」
妻いわく。
「じゃあ通じ合うまで、雑巾を持ってベランダで語り合ったら?」
年の暮れ。
「窓ガラスが言ってるのよね。一年間の汚れを落としてくれって」
居間の窓ふきをやれと、先日の洗車のことを持ち出して妻が言う。
「なら、オマエがやったら?」
「それがね、どうしてもあんたに、背中を流してもらいたいってよ」
「イヤや。オレ、窓とは心が通じ合ってないけん」
「きれいにしてあげたら通じ合うかもよ」
「心が通じ合うにはな、長い時間がかかるんや」
妻いわく。
「じゃあ通じ合うまで、雑巾を持ってベランダで語り合ったら?」
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