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402 母の気持ち
母が鬼籍に入って一年が過ぎた。
その母にはほめられた記憶がほとんどなく、いつも叱られてばかりだった気がする。
それは成人になってからも同じで、結婚して子供たちができたあとも続いた。
そのことを妻に話す。
「顔を合わせると小言を言われたもんや。よくわからんけど、なんやかんやとな」
「ううん、わかるわよ、お義母さんのその気持ち」
「なんや、その気持ちって?」
妻いわく。
「あんたの顔見たら、それだけで腹が立って、なんか言いたくなるもの」
母が鬼籍に入って一年が過ぎた。
その母にはほめられた記憶がほとんどなく、いつも叱られてばかりだった気がする。
それは成人になってからも同じで、結婚して子供たちができたあとも続いた。
そのことを妻に話す。
「顔を合わせると小言を言われたもんや。よくわからんけど、なんやかんやとな」
「ううん、わかるわよ、お義母さんのその気持ち」
「なんや、その気持ちって?」
妻いわく。
「あんたの顔見たら、それだけで腹が立って、なんか言いたくなるもの」