愛妻語録

382 あんたのせい

2017.1 作

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　コタツで丸くなり、うたた寝をしている妻に声をかけて起こす。

「おい、買い物に行くんやろ」

「そうやったわね」

　妻が準備にと自分の部屋へ行く。

　が、すぐにもどってきて頬を指さした。

「行かれんわ。見てよ、この寝ジワのあと」

「いいやないか、じきに消えるやろ」

「それがね、この頃なかなかとれんのよ」

「ほかにもシワがあるみたいやけど、それも寝ジワなんか？」

「あとはただのシワ。苦労のせいよ」

「苦労？」

　妻いわく。

「そう、あんたのせい」