370/719
370 我慢を知らん人
「痛えっ!」
おもわず悲鳴が出て、そのまま床に座りこんでしまった。
半開きのドアに、右足の小指をぶつけてしまったのである。
「前を見て歩かんけんよ」
死人にムチを打つがごとく、妻の冷たい言葉が飛んできた。
「小指が折れたかも……」
「大げさなんやから」
「真剣に痛いんやけんな」
「ほんと、我慢を知らん人やね」
「知ってるわ。オレの我慢強さは世界一なんやけん」
妻いわく。
「うちが世界一やわ。そんなあんたのこと、ずっと我慢してきたんやもの」
「痛えっ!」
おもわず悲鳴が出て、そのまま床に座りこんでしまった。
半開きのドアに、右足の小指をぶつけてしまったのである。
「前を見て歩かんけんよ」
死人にムチを打つがごとく、妻の冷たい言葉が飛んできた。
「小指が折れたかも……」
「大げさなんやから」
「真剣に痛いんやけんな」
「ほんと、我慢を知らん人やね」
「知ってるわ。オレの我慢強さは世界一なんやけん」
妻いわく。
「うちが世界一やわ。そんなあんたのこと、ずっと我慢してきたんやもの」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。