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341 隣の野良猫
2016.12 作
夜も遅く。
塀越しに猫の鳴き声が聞こえてきた。
妻が窓に目を向ける。
「うるさいわね、あの鳴き声」
「隣の材木屋に住みついてる野良猫や」
「白い猫やろ」
「ああ。それでアイツな、オレの目をじっと見つめてくるんよ。オレに気があるんやろうな」
「なら、あんたの言うことを聞くやろ。どこかへ行くよう言ってくれん?」
「オレにホレてるのに、どこにも行くわけないやろ」
妻いわく。
「じゃあ、あんたも一緒に行ったら? そしたら家の中も静かになるけん」




