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332 半分こ
2016.12 作
コンビニでドラ焼きを見て、ずいぶん前に他界した祖母のことを思い出した。
その祖母だが……。
饅頭などお菓子があるときは、いつもオレに分けてくれたものである。
それも一つしかないときは、それを半分に割って必ず大きい方をくれた。
ドラ焼きを買って帰ると、
「それ、ドラ焼きやね」
妻がさっそく目ざとく見つける。
「半分やるわ」
オレはドラ焼きを半分に割り、祖母にならって大きい方を妻に渡した。
妻いわく。
「ねえ、あんたの方が大きくない?」
2016.12 作
コンビニでドラ焼きを見て、ずいぶん前に他界した祖母のことを思い出した。
その祖母だが……。
饅頭などお菓子があるときは、いつもオレに分けてくれたものである。
それも一つしかないときは、それを半分に割って必ず大きい方をくれた。
ドラ焼きを買って帰ると、
「それ、ドラ焼きやね」
妻がさっそく目ざとく見つける。
「半分やるわ」
オレはドラ焼きを半分に割り、祖母にならって大きい方を妻に渡した。
妻いわく。
「ねえ、あんたの方が大きくない?」
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