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329 三時のオヤツと晩飯
2016.12 作
昼飯のとき。
妻の口元に飯粒がくっついていた。
口元を指さして教えてやる。
「おい、飯粒がついてるぞ」
その飯粒を指でぬぐい取ってから、すかさず妻がへらず口をたたく。
「これ、三時のオヤツに残しておいたんよ」
「じゃあ、そいつは三時に食ったらいい」
それからちょっとして、
「あんたも三時に残してるん?」
妻がオレの顔を指さす。
頬に触れると指に飯粒がついた。
「こいつは晩飯にしようと思ってな」
妻いわく。
「なら、あんたの晩ごはんはいらんね」




