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315 扇風機男
2016.11 作
近ごろ肩がこるので、そのことを妻に話した。
「大きな頭を乗せてるせいやわ」
「オレのは普通や。前の職場に、オレの倍あるヤツがおったんやけん」
「そんな人、いるわけないやないね」
「いや、扇風機男がおったんよ。こんくらいあったけん」
オレは頭の上で輪を作ってみせた。
「そうや、あんた。扇風機みたいに首をグルグルまわしてみたら？ 肩こりが治るかもよ」
「こうか」
オレは首をグルグルまわした。
妻いわく。
「もういい、やめて。うっとうしいけん」
