299/719
299 変な虫
2016.12 作
背中の真ん中が痒くなったので、居間の柱に痒いところをこすりつけていたら、それを見た妻が問うてきた。
「あんた、そこでなにをしてるんね?」
「背中が痒いんで、柱でかいてるんや」
「なんか熊みたいやね、その体の動かし方」
妻がゲラゲラと笑う。
「なら、オマエがかいてくれるか?」
「イヤ! そのままそこでかいときよ」
「ほらみろ。そうやけん、こうやってかいてるんやないか」
妻いわく。
「どうでもいいけど、そこらへんに変な虫をまき散らさんでね」
2016.12 作
背中の真ん中が痒くなったので、居間の柱に痒いところをこすりつけていたら、それを見た妻が問うてきた。
「あんた、そこでなにをしてるんね?」
「背中が痒いんで、柱でかいてるんや」
「なんか熊みたいやね、その体の動かし方」
妻がゲラゲラと笑う。
「なら、オマエがかいてくれるか?」
「イヤ! そのままそこでかいときよ」
「ほらみろ。そうやけん、こうやってかいてるんやないか」
妻いわく。
「どうでもいいけど、そこらへんに変な虫をまき散らさんでね」