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200 桃の節句
昨年暮れ、女の子の孫が生まれた。
その子のためにと、押し入れに眠っていたひな人形を三十年ぶりに出して飾った。
妻と長女と次女の三組のおひなさま。
三十年前と少しも変わらず、どれもがきれいな顔をしている。
「うらやましいもんや。何年たっても人形はぜんぜん老けんで」
「三十年ぶりにあんたを見て、おひなさんたちも思ったんやない?」
「年取って汚い爺さんになった、そう思ってるって言いたいんやろ」
妻いわく。
「ううん、まだ生きてたのかって」
昨年暮れ、女の子の孫が生まれた。
その子のためにと、押し入れに眠っていたひな人形を三十年ぶりに出して飾った。
妻と長女と次女の三組のおひなさま。
三十年前と少しも変わらず、どれもがきれいな顔をしている。
「うらやましいもんや。何年たっても人形はぜんぜん老けんで」
「三十年ぶりにあんたを見て、おひなさんたちも思ったんやない?」
「年取って汚い爺さんになった、そう思ってるって言いたいんやろ」
妻いわく。
「ううん、まだ生きてたのかって」