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愛妻語録  作者: keikato
192/720

192 猿が温泉に

 テレビを見ていた妻がいきなり声をあげる。

「うち、〇〇子と長野を旅行したとき、あそこに行ったんよ」

 〇〇子とは長女である。

 テレビには露天風呂に入った猿がいた。

 雪の降るなか、五匹ほどが気持ちよさそうに湯舟につかっている。

 そこは地獄谷うんぬんとかいって、長野県の北部にあるらしい。

「よく野生の猿が、風呂に入ることを覚えたと思わんか?」

「猿ならできるわよ」

「でも、だれも教えてないんやろ」


 妻いわく。

「あんたでも覚えたことやないね」


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